2023.03.28 【電子部品メーカー・商社 中国拠点特集】 変革を遂げる中国の日系電子部品工場 名幸電子(武漢)有限公司 メイコー
武漢工場の外観
ハイエンド分野に照準、質を重視
メイコーは、中国にプリント配線板工場2工場(広州、武漢)を展開。車載やスマートフォン用を主力に生産品目の高付加価値化に努め、自動化・省人化で生産性を向上させている。
広州工場「名幸電子(広州南沙)有限公司」は敷地面積約13万平方メートル。車載用基板の専用工場として、両面板、多層基板、ビルドアップ基板などを製造。武漢工場「名幸電子(武漢)有限公司」は敷地面積約13万9200平方メートル。通信モジュールやIoT家電、車載、スマホ、LEDディスプレー向けに多層基板、ビルドアップ基板、エニーレイヤー基板などを製造。ともにIATF16949認証を取得済み。
メイコーの和田純也取締役専務執行役員は「コロナの状況からはようやく落ち着いてきた。ゼロコロナ政策解除後も、操業を停止することなく早期に正常化できた」とし、「中国ローカルとのコスト競争も厳しくなっているが、今後もハイエンド分野に照準を合わせ、量より質重視で展開する」と話す。
分野別では、中国EV向けが好調に増加している。広州工場は、「特にインバーターやバッテリーマネジメントシステム(BMS)関連などの生産が増加傾向。今後はeAxle(イーアクスル)向けなども増える見通し」(和田専務)。
武漢工場では、通信モジュールやスマホでの高密度ビルドアップ基板要求に対し、L/Sが40マイクロメートル/40マイクロメートル以下の微細化技術適用エニーレイヤー基板や10層・12層エニーレイヤー基板などを量産化。通信モジュール用基板でグローバルトップシェアを確保している。
和田専務は「武漢工場は微細化技術にアドバンテージがあり、技術人材も充実している。広州工場も車載品質の安定品質と高い技術力が強み」と説明。2023年に向け「全体の景気は良くないが、歩留まり改善、体質改善、調達コスト削減など今できることに取り組む」。購入電力の再エネ化なども検討する。広州では銅リサイクルやパラジウム再資源化なども開始した。