2023.03.28 【電子部品メーカー・商社 中国拠点特集】 変革を遂げる中国の日系電子部品工場 東莞昭和電子有限公司 SMK
東莞工場
一貫体制でリモコン生産を自動化
SMKの東莞工場(東莞市)は、自動化・省力化の推進により、付加価値の高いモノづくりを展開。新規製品立ち上げや新規顧客拡大も進展している。
東莞工場「東莞昭和電子有限公司」(長島広和総経理)は、リモコンや操作ユニットを主力に、ジャック/コネクター、スイッチなどを製造する。プレス、成形、めっきをはじめ、金型・自動機の設計・製作、印刷、製品設計などフルファンクションを備える。
2022年度のリモコン生産数量は前期比約1割増となる見込み。長島総経理は、「東莞工場の強みは、金型から成型、プレスの内製、自動機設計までの一貫体制。現地設計した自動機でのリモコン自動化生産を行うとともに、これらの設備をほかの海外工場に移管するなど、製造のマザー工場の役割を担っている」と話す。
同工場は21年に住宅設備用リモコンの自動組み立て機を導入。リモコン向け自動印刷機も稼働させた。22年にはIATF16949認証の適用範囲を従来のリモコンからスイッチやコネクターに拡大した。
工場売り上げは、グローバルでの生産体制最適化に伴いSMTラインの他工場への移管などを進めたことで、22、23年度はほぼフラットで推移する見込み。22年には成形機やプレス機などの老朽化設備売却も実施した。長島総経理は、「今後も省力化や自動化を推進し、生産改善・工程改善に継続的に取り組む。設備売却で空いたスペースを有効活用していく」と話す。このほか、コンプレッサーの省エネタイプへの切り替えやSMTライン温湿度管理の自動制御から目視への切り替え、成形工程シフト見直しなど行い、22年は電力使用量を約2割削減した。
住宅設備用リモコンはここ数年堅調で、エアコン用リモコン、二輪車用操作ユニットも増加している。新規顧客向け製品も順次立ち上がっている。23年には中国系車載バッテリー向け製品なども立ち上がる見通し。「今後も深圳の営業部門などと連携し、現地の車載やバッテリー関連などの顧客にアプローチしていく」。