2023.03.28 【電子部品メーカー・商社 中国拠点特集】 営業拠点 中国営業戦略 岡谷電機産業

秋田 総経理

ローカル顧客へ向けスペックイン活動を活発化

 岡谷電機産業は、白物向けや産業機器向け電子部品を中心に実績を拡大。特にスマートメーターやロボット、エレベーターといった産機系の成長分野開拓に注力し、ローカル顧客へのスペックイン活動を活発化させている。フィルムコンデンサーやサージアブソーバー、ノイズフィルターなどの拡販活動を推進している。

 中国の営業拠点として、香港の岡谷香港貿易有限公司を中心に、上海市と深圳市に駐在員事務所を展開。生産拠点として東莞市でフィルムコンデンサーの工場を稼働させている。

 客先別では、日系顧客向けの日本スペックイン製品が着実に浸透するとともに、中国ローカルの産業機器やエアコンメーカーなどへの現地スペックイン活動に注力する。

 上海駐在員事務所は、日系や中国系の代理店とも連携しながら華東地区をはじめ、華北・東北地区、武漢、四川省など広大なエリアをカバーしている。2022年度も大きく業績を伸ばせたと、同事務所の秋田和則総経理は振り返る。

 第一に電気自動車(EV)関連需要の盛り上がり。「テレビがブラウン管からディスプレーに移行した際と同じくらいのインパクトがある」(秋田総経理)。

 第二に在宅ワーク需要。一部屋一台のエアコン設置の動きや、家で過ごす時間が増えたことに伴うリフォーム需要、空気質への関心の高まりなどがある。

 第三にサプライチェーンの課題。物流網の課題の中でも懇切な対応を進めることで、顧客の支援を勝ち取った。秋田総経理は「いわばピンチをチャンスにする形」と話す。

 コロナ禍を機にしたBCP在庫の動きもあり、「23年度も順調。さらに24年度に向けて活動している。環境対応への取り組みや顧客動向の変化に対する的確な対応を重視する」(秋田総経理)。

 環境対応では、中国のエアコン省エネ規制などを追い風にしていくとともに、VOC規制などにもいち早く対応。顧客の中には日本への生産回帰の動きもあるが、内外で連携することでスムーズな対応にもつなげている。