2023.03.29 【関西エレクトロニクス産業特集】 関西の最新分野別動向 空飛ぶクルマ

丸紅の実証飛行のもよう

 2025大阪・関西万博に向けて、関西では空飛ぶクルマの実証実験や機運を高める取り組みが進んでいる。2025年日本国際博覧会協会は2月21日、大阪・関西万博の「未来社会ショーケース事業出展」のうち、「スマートモビリティ万博」空飛ぶクルマの会場内ポート運営の協賛企業を決定した。

 「空飛ぶクルマ」会場内ポート運営はオリックスで、万博会場内の北西に位置するモビリティエクスペリエンスに設置予定のポートの運営を実施する。

 また「空飛ぶクルマ」運航事業はANAホールディングス、日本航空、丸紅、SkyDriveの4社に決定した。万博会場内ポートおよび会場外ポートをつなぐ2地点間での空飛ぶクルマの運航の実施を目指す。

 この4社の中の丸紅は3月14日、大阪市の大阪城公園内野球場で米国LIFT AIRCRAFT社が開発・製造する一人乗り電動垂直離着陸機「HEXA」を用いて、上下飛行や旋回飛行などの複数の飛行パターンを有人で行う実証飛行を実施した。屋外スペースにおいて、パイロットが搭乗して操縦する空飛ぶクルマを飛行させるのは日本初という。

 SkyDrive(愛知県豊田市)は、2021年の大阪府・大阪市との連携協定の締結に続き、兵庫県とも空飛ぶクルマの実現に向けた連携協定を締結した。

 兵庫県では協定に合わせて、社会受容性の向上やポート整備支援、事業開発支援の三つの支援策を公表した。次世代空モビリティ会議(仮称)の運営やポート候補地選定などの支援に、初年度は5000万円の予算を計上する。

 日本航空が出資するドイツのヴォロコプター社は8~12日、大阪市のグランフロント大阪で、空飛ぶクルマ「VoloCity」の実物大モデルを日本で初披露した。

 同社は、22年に大阪府の空飛ぶクルマ都市型ビジネス創造都市推進事業補助金対象事業としての決定を受け、展示では電動・垂直離着陸機体の認知度および社会受容性の向上を目的とした。

 岡山県倉敷市水島地域の企業群を中心に、航空宇宙の産業クラスターを目指すMASCは昨年11月、大阪府東大阪市の花園中央公園で「空飛ぶクルマ」EH216実機展示を実施。東大阪市が主催した展示会「HANAZONO EXPO」で公開していた。