2023.03.29 【関西エレクトロニクス産業特集】進む大阪駅周辺の開発 うめきたエリアが開業 JPタワー大阪、来年夏にオープン

JPタワー大阪はデッキ(右側)で大阪駅ともつながる

建設中のJPタワー大阪建設中のJPタワー大阪

西口から各所につながる西口から各所につながる

大阪駅西北ビル(左)など、開発が進むうめきた2期地区大阪駅西北ビル(左)など、開発が進むうめきた2期地区

 関西ではうめきた2期地区の開業を前に、周辺地域でビルや駅の再開発が進む。この3月には大阪駅のうめきたエリアが開業。新たに既存のJR大阪駅に西口改札も登場し、うめきたエリアと直結する。その西口の南には、旧大阪中央郵便局跡地で商業施設「JPタワー大阪」が2024年7月にグランドオープン。西口北側には大阪新駅ビルが24年秋に竣工(しゅんこう)予定。うめきた2期地区の同年夏の街開きに合わせて周辺地域も活性化しそうだ。

 大阪駅のうめきたエリアの開業に伴い既存のJR大阪駅と新駅をつなぐ、うめきた地下口とJR大阪駅西口を新たに開設した。新駅は現在開発中のうめきた2期地区の玄関口で既存の大阪駅西側に新たにできる西口改札と70メートルの地下連絡通路でつながる。

 西口のデザインは水都大阪をイメージし、水や川に関連したデザインを採用。天井や柱などのデザインは水や大阪の橋を連想するものを採用した。西口の改札は環状線、神戸線などとエスカレーターなどで接続。環状線ホームから西口を通り、うめきたエリアに13分で移動が可能という。

 その西口から南側で建設中の物件が、日本郵便とJR西日本など5社が旧大阪中央郵便局跡地を含む大阪駅西地区で開発を進めている「JPタワー大阪」。24年夏に同所でグランドオープンを目指す商業施設「KITTE大阪」のほか、ホテルやオフィス、劇場と、幅広い用途が予定されている。

 JPタワー大阪は、1874年に開業した初代大阪駅の跡地で、旧大阪中央郵便局が建っていた場所にできる。コンセプトは「つなぐ」。複合用途の一体開発で、ヒト・モノ・コトの「つながりのはじまり」となる拠点として、大阪駅周辺のにぎわいの創出、地域の価値向上に貢献する存在となることを目指す。

 敷地面積約1万2920平方メートル、延べ床面積約22万7000平方メートル。地上39階、地下3階、塔屋2階で、地下1階から6階がKITTE大阪となる。11階から27階のオフィスは、貸室面積が約4000平方メートルで、西日本最大級のオフィス空間となる。開発に携わる日本郵政不動産開発事業本部の寺﨑徹次長は「コロナ禍で出社以外の働き方が増えたが、だからこそオフィスの大切さも見直された」と話す。働く人がリラックスできる屋上庭園やリフレッシュのためのフィットネスルームやサウナなど、オフィスサポート機能を充実させた。

 29階から38階部分のホテルは、JR西日本ホテルズが、マリオット・インターナショナルと初めて提携して「オートグラフ コレクション」ブランドとして出店。インバウンドも視野に、国内外からの宿泊客を迎える。

 同所は、JR大阪駅西口改札の通路と新設の歩行者デッキでつながる。西梅田歩行者通路とも接続するため、傘なしでもぬれる心配なく足を運ぶことができる。

 西口北側に建設中のJR西日本(仮称)大阪駅西北ビルはうめきた2期地区をはじめとした大阪駅西側地区の玄関口の新たな駅ビル。新たなビジネス活動拠点を整備するとともに、周辺のオフィスワーカーをはじめとする多様なニーズに対応する商業ゾーンを中層部に展開。にぎわいや交流、憩いの場を創出する。低層部には広場空間を設け、うめきた2期地区開発とも連携。周辺地区における歩行者の回遊性向上を図る。新ビルは延べ床面積が約6万平方メートル、オフィス賃貸面積が約2万3000平方メートル。地上23階・地下1階で高さは約120メートル。