2023.03.29 【クラウドサービス特集】東芝デジタルソリューションズ AI OCR文字認識サービス 読み取り精度向上 異なる書式からも可能に

 東芝デジタルソリューションズは、50年以上にわたる光学文字認識(OCR)技術の開発ノウハウと人工知能(AI)技術を組み合わせた文字認識クラウドサービスで業務の自動化を支援している。同社の文字認識は、請求書や発注伝票などのオフィスの紙文書の読み取りを行う「AI OCR文字認識サービス」と、免許証やマイナンバーなどの本人確認書類を読み取る「本人確認書類読取サービス」の2種。これらにより一段高い業務の効率化を実現していくという。

 AI OCR文字認識サービスは、さまざまな帳票を読み取ることができ、最新のAI技術を活用することで認識精度が非常に高いことが特徴だ。非定型な文書の読み取りのほか、ディープラーニングを活用して手書き文書も含めて高精度で文字認識する。管理機能も充実し、文字認識後に必要となる訂正作業を効率よく行えるようにしている。誰がどの部分を何回チェックするかといった細かいワークフローも設定可能だ。

 2月にリリースした最新版は、従来読み取りが難しかった、書式が異なる帳票からの特定の項目の読み取りや、不規則に結合されたセルや罫線の一部が欠落した表が含まれる帳票からの読み出しなどもできるようになった。より実運用で扱うことの多い帳票を高い精度で読み取れるため、企業内の紙の帳票をデジタル化しやすくなるとみる。

 さらに文字認識結果に対する演算チェック機能も強化。これまで別途RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)やアプリケーションを準備して対応してきた演算チェックをAI OCRの中の機能として利用できるようにしたため、データチェックがより簡単にできるようになった。

 販売実績7万台の本人確認書類OCR本人確認書類読取サービスは、2021年末から「顔認証サービス」と「本人確認書類厚み判定サービス」を組み合わせることで非対面でのオンライン本人確認(eKYC)として利用できるようになった。本人確認書類OCRに、世界トップレベルの独自の顔認識AI技術を組み合わせた。免許証やマイナンバーカード、在留カード、健康保険証のほか、パスポート、電力検針票などの読み取りが可能だ。

 このサービスを使ったオンライン本人確認の仕組みは本人確認書類をスマートフォンなどで撮影し券面情報を読み取る際、合わせてスマホでセルフ撮影した顔写真が一致しているか照合する。同時に免許証やマイナンバーカードの厚みを判定し偽造されたものかどうか真贋(しんがん)性をチェックする。従来の金融機関の口座開設に加え、各種決済サービスなどやフリマアプリなどのさまざまなオンライン本人認証で使えるようになる。

 同社は文字認識クラウドサービスで企業が抱えるさまざまな課題の解決を支援していくとしている。