2023.05.23 【JECA FAIR2023特集】電気設備業界 省力・省人化で効率化追求

 歯止めがかからない少子高齢化を背景に深刻な人手不足が続く電気設備業界では、省力・省人化や作業工程の効率化に寄与する各種ソリューションが求められている。

 出展各社は現場の作業性向上や作業工数削減に役立つ製品展開に知恵を絞る。

 メンテナンス効率の改善は現場の課題の一つ。ドライバーを用いたねじ締めを必要とせず、簡単に配線できる「プッシュイン方式」の端子などは、配線工数を削減して作業時間を大幅に短縮し、生産性を大きく改善できる効果がある。

 ねじの増し締め作業がいらず、現場の保守管理業務の簡素化にも貢献する。多くの熟練作業員が引退時期を迎え、早期の技能承継が作業現場で課題となる中、経験の浅い作業員でも確実に作業が行える。

 こうした「ねじレス」「工具レス」「スキルレス」化の効能は現場の作業効率を高めるだけでない。ねじの締め過ぎや、振動や衝撃による緩みといった締め付け不良を削減でき、誤配線や誤接続を防げるなど品質の安定化・均質化にも資する。

 ブルートゥースやWi-Fiなど通信機能を搭載した機器による遠隔監視や、クラウドを活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)の導入によって作業効率を高めようとする動きは、近年強まっている傾向だ。

 機器の運転状態をリモートでモニタリングするなどIoTを活用した現場のスマート化で、予防保全業務も劇的に能率化が図れる。

 運転状態の常時監視や、火災事故の予防保全業務も効率化できる上、工場内の電力・エネルギー使用量をリアルタイムで把握することにより、エネルギー消費量の削減にも役立てることができる。

 働き方改革が引き続き叫ばれ、インフラ設備の経年化と作業担当者の高齢化が同時進行する中、保守管理業務の負荷軽減も喫緊に取り組むべき問題だ。

 IoTを活用した設備の安定稼働や維持管理などの保全業務を効率化するための取り組みが進んでいる。