ニチコンは、安全と良質な電気を追求する電力関連装置、およびスマートシティーを支える次世代製品を紹介する。

　脱炭素を見据え、進相コンデンサーに使用する直列リアクトルの環境性、安全性に配慮した「植物油入式高圧直列リアクトル」を実現。生成から焼却過程においてCO₂排出量を大幅に低減した菜種油を採用した。従来の油入式直列リアクトルの電気絶縁油は鉱物油だった。

　約89％の高い生分解性が期待できるほか、引火点330度と高い安全性を有する。同社従来品の直列リアクトル性能を維持したまま安全性をより高め、環境負荷低減にも寄与することから、JECA FAIR製品コンクールに出品した。

　また、省エネルギー、電力利用の合理化、高調波やフリッカー対策などに最適な電力用コンデンサー、直列リアクトル、アクティブフィルター、交流フィルター、低・高圧進相コンデンサー設備「パックコン」、フリッカー補償装置「HiQC」、インバーター機器などからの高調波電流に起因した電力系統の電圧ひずみや、配電系統の高調波電流障害から設備や電気機器を保護する高調波継電器も展示する。

　スマートシティーを支える次世代製品では、工場や事業所で太陽光発電に蓄電システムとEV充電器を直流のまま連携（DCリンク）することで電力ロスを抑え、高効率な送電が行える「DCリンク型産業用蓄電システム」を提案。

　太陽電池とEV・PHVの電池と蓄電池を効率よく連携させ、太陽光で発電した電気を家庭で使用したり、蓄電してEVを走らせることもできる「トライブリッド蓄電システム」（連系出力5.9kW、自立出力5.9kVA、全負荷200V出力標準仕様）もPRする。

　そのほか、自動車の荷室に収納でき、緊急時や野外イベントなどでEV・PHV・FCVの蓄電池からの電力供給装置として活用できる外部給電器「パワー・ムーバー」や、2009年から開発製造しているEV・PHV用急速充電器で昨年9月に販売した小型・省スペースモデルの100kW出力（2口）、50kW（1口）出力器を出品する。