2023.05.24 【次世代自動車用部品・材料特集】東レエンジニアリング Dソリューションズ 樹脂成形の変形予測し不良削減

CAEは外観不良やそり変形の発生を予測する

 東レエンジニアリングDソリューションズは、次世代自動車分野に向けて、CAE(コンピューター支援エンジニアリング)の提案に力を入れている。

 次世代自動車部品では、従来の金属を使った部材を樹脂に置き換えることで軽量化を目指す動きがある。

 CAEは、射出成形やプレス成形などで生じる外観不良やそり変形の発生を予測・分析し、早期の対策に生かすことができる樹脂成形シミュレーションソフト。カーボンニュートラル社会の実現に向けた流れの中、CAEの活用で、成形不良を減らして廃棄物量や使用する樹脂量の削減が期待できる。

 樹脂と金属など異種材の一体成形では、樹脂と金属の境界面が剝離したり、樹脂部が割れたりといった課題がある。CAEを用いれば、一体成形品に起こりがちなこうした不良の発生を予測し、検証工数の低減が図れる。

 次世代自動車部品には、自由に溶かしたり固めたりできる熱可塑性樹脂、耐熱性や成形性に優れた熱硬化性樹脂が用いられる。「3D TIMON」シリーズは素材・成形方法ごとにパッケージ製品をそろえ、用途に合ったソフトを選べる。

 設計段階で樹脂部材の厚みや形状に起因する変形を予測する「PD Advisor」は、予測を踏まえた変形対策を提示する業界初の機能を搭載した。

 今後、3D TIMONのシェア拡大に努めるとともに、PD Advisorの設計提案機能を強化し、新規市場の創出に一層力を入れていく。