2020.02.07 経産省と東証 デジタル時代に向けDX銘柄を選定
説明会では経産省などから詳細な解説が行われた
3700社から業種ごとに1~2社
経済産業省は、デジタル技術を駆使してビジネスモデルなど事業構造を抜本的に変革して競争力強化につなげる「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」の動きを踏まえ、東京証券取引所の上場企業の中から特に優れた取り組みを続ける企業を、「DX銘柄2020」として選定する。5月中旬から下旬に公表する予定だ。
東京証券取引所の国内上場企業約3700社が対象。3月までにDXの具体的取り組みなどをアンケート回答してもらうなどした後に、有識者らでつくる「銘柄評価委員会」で選考。原則、「機械」や「小売業」といった業種別で1~2社を選定する。
業種の枠を超えて「デジタル時代を先導する企業」として「DXグランプリ」を選ぶほか、DX銘柄に選ばれなくても、総合評価が高いなど一定の条件をクリアした企業は「DX注目企業」として公表する。
経産省は東京証券取引所と共同で15年から、急速にIT化が進展する中、「攻めのIT経営銘柄」を選定。投資家にとって魅力ある企業として紹介し、企業のIT投資を加速させてきた。
だが、グローバルに巻き起こるDXの潮流を受けて、国内産業の競争力強化に向け、20年の銘柄では、DXに焦点を絞り込み、選定基準の全般的な見直しを実施し、衣替えすることにした。
2月上旬に行われた企業などへの説明会では、同省情報技術利用促進課が、DXの一例として、「デジタル技術を使い、顧客とのつながり方を根本的に変え、本当に提供したかった価値を提供する」などと説明。
さらに、「経営戦略とデジタル戦略は一体であり、ユーザー視点で新しい価値を提供していくこと」だとし、「国全体で進めていくことで、世界の中で競争力を高めることにつながる」と指摘した。
また、DXへの注目が高まる背景について、5Gなど通信技術の大きな進展や、AI(人工知能)などによる情報処理技術の変化といった点を挙げて、「ネット内で起きていたことが、あらゆる産業分野にも適応できるようになった」と解説した。