2023.05.24 金融犯罪の資金の流れを絶つ ラックが不正口座のAI検知技術を開発

ラックの事業説明会に臨むAIプロダクト開発グループのザナシル・アマル氏=東京都千代田区の同社本社

 人工知能(AI)を駆使し、犯罪者が資金を窃取する受け皿となる不正な銀行口座を高精度に検知する―。セキュリティー大手のラックは24日、不正口座の検知で威力を発揮するAI検知技術を開発し、金融犯罪対策を支援するソリューションに組み込んだと発表した。安心・安全な金融サービス環境の実現を強力に後押しする。

 インターネットバンキングや電子商取引(EC)サイトを舞台とした不正取引や金融犯罪が後を絶たない中、同社が運営する金融犯罪対策センターは2022年2月から、「AIゼロフラウド」と名付けた独自の金融犯罪対策ソリューションを提供している。今回、新開発のAI検知技術をソリューションに取り入れた格好だ。

 具体的には、金融犯罪防止の鍵を握る不正口座に注目し、不正な入金と出金を検知。人の手間や時間をかけてあぶり出していた不正口座を迅速に発見できる。大手地方銀行の協力を得て実証テストを行った結果、95%の検知率を達成できることも確かめた。

 同日開いた事業説明会で同社の西本逸郎社長は、手口が多様化する金融犯罪について概観した上で、「不正口座を見つけ犯罪者の資金を断ち切りたい」と強調。金融犯罪の撲滅に向けて意欲を示した。

(後日、電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)