2023.06.05 【エコファースト企業~環境の日~特集】千住金属工業 PLM視野、カーボンニュートラルに貢献

三位一体の「MILATERA」でカーボンニュートラルに貢献

 千住金属工業は「環境ビジョン2050」を策定し、事業所のグリーン電力導入をはじめ、企業活動における低炭素社会の実現に向けて取り組んでいる。

 同社は環境配慮型のモノづくりを通じて人や環境にやさしい未来を実現するため、ソルダリング事業の観点からPLM(製品ライフサイクルマネジメント)も視野にカーボンニュートラルへの貢献を目指している。SAC305などの従来製品よりも融点が約80度低い低温(低融点)はんだ付け材料、低温ウェーブはんだ付け装置、実装プロセスの三位一体で提供するソリューションを開発し、次世代の実装技術として提案を始めている。キャッチコピーは「Δt80℃がつなぐ未来へ」。

 低温フローソルダリングソリューションは低融点はんだを使うことで、はんだ付け装置の省電力化や消耗低減などさまざまなプロセスがカーボンニュートラルにつながる。

 低温はんだ付け材料はSn-Bi系でソルダーペースト、棒はんだ、Sn-Bi系の流動性を改善し優れたぬれ性を確保したフラックス、さらに修正・後付け用のやに入りはんだまでそろえたことで、同一はんだ組成による高品質のはんだ付けができる品ぞろえとした。新開発の低温ウェーブはんだ付け装置「BITHUS-Wave MTF-300」は、Sn-Bi系低融点はんだで発生しやすいドロスを低減し、基板に付着するドロス量を少なくする新たな噴流ノズルや、ドロスをフロー装置内で再利用する技術などさまざまな開発により製品化した。 

 同ソリューションは既に家電などで量産適用の採用が始まり、パソコンで実績のある低温リフロープロセスと共に全てのはんだ付けプロセスで低温実装を可能とした。

 同社はこれまでSn-Ag-Cu系では「エコソルダー」としてブランドの浸透を図ってきた。新たに低温ソルダリングソリューションの新ブランドに、未来を見つめながら次世代のソルダリングカンパニーとして成長を目指す「MILATERA(ミラテラ)」を立ち上げた。