電力変換効率改善、高精度な測定で実現へ

　地球環境の保護や持続可能社会の実現に向けて取り組む産業界を支える計測ソリューション。消費エネルギーのさらなる削減には、高精度な測定による電力変換効率の改善が不可欠だ。

　例えば、電気自動車（EV）モーターの効率性評価は、車両の走行性能の向上や航続可能距離の延伸を図る上で欠かせない。

　モーターの回転数やトルク（回転する力）、消費電力などを測定し、エネルギーロスを評価してモーター効率低下の要因を探ることが、EVの性能改善と電費効率の向上につながる。

　車載用リチウムイオン電池（LiB）の高効率化にも計測技術が生かされる。EVの航続距離を伸ばすために容量が増大化する電池の内部抵抗を高精度に測定することで出力効率の向上に寄与する。

　EVモーターやインバーターを制御するために車両に搭載されるECU（電子制御ユニット）も、その応答性を評価することにより、運転効率の改善が期待できる。

　太陽光や風力など自然エネルギーの効率的な運用に当たっては、発電用パネルや風力タービンから生じる発電量を測るなど、発電システムの評価が行われる。脱炭素社会に向けたエネルギーの有効利用を目指し、さまざまな計測制御技術が活用されている。