2023.06.26 家電量販店、高齢者には「負担の少ない」商品提案

家事負担軽減へ高齢者にも人気のロボット掃除機

 家事負担の軽減や快適生活を担うのが家電製品だが、若年層やファミリー層、高齢者世帯など購買層によってニーズは異なる。なかでも高齢者には操作性や機能、購入価格に関して「負担の少ない」商品提案が、家電量販店でも接客の鍵になっている。

 ヨドバシカメラ新宿西口本店(東京都新宿区)で高齢の来店客が多いのは午前中。「シンプルな機能の家電を求めるお客さまが多い」と同店副店長は話す。なかでもお任せ機能付きの家電が人気だという。

 多機能・高付加価値型の商品より安価で、手軽に買える価格帯の商品の販売が多いが、家電に詳しい高齢の来店客も。カメラやオーディオなどの趣味性のある品は「自分で調べて(どの機種を買うか)決めて来店することが多い」そうだ。

 高齢の来店客は店に足を運ぶのも気力・体力を要することから、買い忘れはないか店員が一声掛けることで、なるべく一度に用事を済ませ、購入してもらうようにしている。

 ヤマダデンキテックランド柿田川店(静岡県清水町)では物価高の影響で、省エネ性に優れたエアコンやスマートフォンの格安プランが注目されているほか、高齢者にとって高い場所に設置してあるエアコンを掃除するのは大変な作業のため、自動掃除機能付きエアコンのニーズが高い。

 オンラインで情報をチェックする高齢者もいて、店頭ではブランド別のフェアや補助金の活用を分かりやすく提示するなど、接客と合わせて理解を深めてもらっている。

 ケーズデンキ鹿屋店(鹿児島県鹿屋市)は、ロボット型掃除機「ルンバ」を高齢者に提案。ルンバは、家事の負担を軽減する商品として関心が高いが、段差が多い家で十分に機能するのか不安で、購入を決断できないケースも多いそう。返金可能な「お試し購入キャンペーン」を活用するなどして購入のハードルを下げている。

 (27日付電波新聞、電波新聞デジタルで詳報します)