2023.06.27 【複合機&プリンターソリューション特集】エプソン販売

「LM」シリーズ

A3カラーIJ複合機LMシリーズ投入

消費電力量削減など「環境価値」を訴求

 エプソン販売は、オフィスの中心機種であるA3カラーインクジェット複合機として「エプソンのスマートチャージ」新製品3機種を発売、オフィス戦略を本格化させている。

 高速A3複合機「LX」シリーズ、低速のA4・A3複合機/プリンター「PX」シリーズに加え、オフィス市場向けの本命機種として、印刷スピード40~60枚/分の「LM」シリーズ3機種を2月から投入した。

 福田雄一郎販売推進本部副本部長は「ビジネス市場で求められる印刷スピード、高画質に加え、レーザー方式と比べ低消費電力、省資源を実現するエコフレンドリーな環境価値を訴求している」と語り、社会のSDGsやESG投資への意識の高まりに対応、環境面での貢献を強調する。

 A3カラー複合機LMシリーズは「LM-C6000」「LM-C5000」「LM-C4000」の3機種。新機種の投入により、24~100枚/分までラインアップを大幅に拡充した。LMシリーズは、オフィスのセンターマシンはもちろんのこと、医療や流通小売など、さまざまな顧客のシーンに合わせた提案が可能。

 福田副本部長は、LMシリーズの最大の特徴として「環境価値」を挙げる。レーザー方式からLMシリーズに換えることで、消費、電力量、CO₂排出量を62~66%削減する。稼働時の消費電力だけでなく、待機時も含めたトータルな消費電力量を示すTEC値も低く、脱酸素社会に向けた取り組みの第一歩となる。

 「熱を使わず、シンプルな構造で交換部品が少ないことも環境負荷低減に貢献」(福田副本部長)している。一般的に、オフィスの電気代の1割を複合機やプリンターが占めているため、「インクジェットに置き換えるだけで、大幅な電気代削減が可能だ」と強調する。

 機体内部の構造を大幅に変更、横幅555ミリメートル、奥行き620ミリメートル(収納時)と小型を実現、置き場所を選ばない。大容量インクの搭載とシンプルな筐体構造も、メンテナンスの手間と時間の削減に貢献する。本体パネルで消費電量の確認が可能で、環境活動への意識付けや取り組みのきっかけにもなる。

 「環境への意識が高い企業や医療、サービス業、官公庁、税理士事務所などプリントニーズが高く、環境価値の効果が出やすい業種なども対象に販売を強化」(福田副本部長)するとともに、環境コンサルティング会社のキャプランと協業など、現在約20社とのパートナー連携を強化している。エプソンの「出力環境アセスメントサービス」とパートナーの「CO₂排出量可視化BPOサービス」などを組み合わせたサービスなども成果を挙げている。

 文教市場向けに展開するスマートチャージの「アカデミックプラン」も好調だ。全都道府県の教育委員会との連携が進み、「大口案件も取れている」と福田副本部長。

 製紙機PaperLab(ペーパーラボ)と連携した循環型社会実現に向けての取り組みにも注力する。また、消費電力削減、BCPの観点から、医療現場への展開にも本格的に取り組んでいる。