2023.07.11 【家電総合特集】シャープ 菅原靖文執行役員兼Smart Appliances&Solutions事業本部長

節約意識に応える製品を拡売

プラズマクラスター搭載強化

 2023年度は光熱費や物価高騰の中、おうち時間の充実や省エネ・節水・食品ロス削減など節約意識に応える高付加価値商品とともに、インバウンド需要の獲得に向け、美容家電や調理機器といった人気商品の拡売に取り組む。

 ボーナス商戦では、業界で唯一CO₂センサーを搭載し適切な換気タイミングを知らせるプラズマクラスターエアコンに注力する。天気予報と連動したAIoTによる省エネ制御も可能で、「買い替えによる省エネ」提案を強化したい。

 ドラム式洗濯乾燥機は、人気の省エネ性能と進化した乾燥機能の訴求を強める。発売30周年を迎えた縦型洗濯機「穴なし槽シリーズ」の新製品では、節水性と清潔性(黒カビ抑制)の認知拡大を図る。

 冷蔵庫は省エネをサポートする「AIoT使い方ナビ」や最大約25%の節電を実現する「節電25」モード、業界トップクラスの奥行き薄型設計を実現した大型冷蔵庫シリーズの販売を強化する。新投入のファン式冷凍庫「グルメクール」も、冷食需要に応えて訴求する。

 水なし自動調理鍋「ヘルシオ ホットクック」は大容量の2.4リットルタイプに、要望の多かった黒色モデルを投入した。子育て世帯から好評の「取り分け離乳食」メニューも拡充。引き続き、SNSなどを中心に対象世代に向けて訴求し、家事負担軽減をサポートしたい。

 スティック掃除機は、昨年発売した低騒音化モデルが、ペットが怖がらない、夜も掃除できると評価され堅調だ。今後ラインアップを拡充する。

 プラズマクラスターは新たな領域や商品への搭載を強化し、23年度は、靴の除菌脱臭ができるシューズクローゼットの発売や、電動ファン付きウエアへのプラズマクラスターデバイスの搭載などを進めてきた。空質環境向上のニーズは強く、需要の掘り起こしや新規応用分野の開拓を進めていく。

 AIoT対応家電は、6月現在で12カテゴリー845機種まで拡大した。購入後も進化するAIoT、家電と家電や住設機器との連携強化、調理家電のメニュー提案の充実などを進め、ネットにつながるメリットをユーザーに訴えたい。

 海外では主力のASEAN市場で4月、インドネシアに新工場を稼働した。今後、省エネ性能が高いインバーターエアコンなど付加価値モデルを生産し、シェアを高める。

 23年度は国内外でこれら取り組みを推進するほか、食・水・空気・環境をテーマにコア技術を持った高付加価値商品の創出、新たな市場を創り出す革新的な商品開発を進め、増収増益を目指す。