2023.07.10 イヤホンによる耳のトラブル急増中、コロナ禍前の3倍 NTT子会社が都内で対策セミナー

「耳のトラブルがコロナ禍前の3倍に増えた」と話す大場先生

耳の穴をふさがないオープンイヤー型イヤホンは、高温多湿な夏の耳トラブルを防ぐ一手耳の穴をふさがないオープンイヤー型イヤホンは、高温多湿な夏の耳トラブルを防ぐ一手

 夏の〝イヤホン蒸れ〟にご注意を―。コロナ禍を経て、テレワークの定着などでイヤホンを使う機会が以前より増えた人が多い。NTTグループで、耳をふさがないオープンイヤー型イヤホンを開発・販売するNTTソノリティ(東京都新宿区)が行った調査によると、コロナ禍以降のイヤホン使用は、約3人に1人が長時間化したと回答。耳のトラブルはコロナ禍以前と比べて約3倍に増えているとし、専門家は「イヤホンして蒸れたからと、耳を掃除するのは悪循環」と警鐘を鳴らす。

 NTTソノリティは10日、「耳の〝イヤホン蒸れ〟対策セミナー」を東京都内で開催。医療法人社団慶友 慶友銀座クリニック(東京都中央区)で、理事長・院長を務める医学博士の大場俊彦先生が登壇し、「コロナ禍でライフスタイルが変わった。イヤホンを当たり前のように付ける生活になったため、以前の3倍ぐらいに患者が増えている」と指摘。その中でも約7割が外耳炎とした。

 外耳炎は、耳かきで触れるところに細菌やカビが広がり、かゆみや腫れなどの症状が出る炎症のこと。耳かきなどの物理的な刺激以外に、イヤホンの密閉による高温多湿で外耳炎が発症することも少なくないという。特に外耳炎は夏に増える傾向が強い。

 テレワークの浸透や、使い勝手の良い完全ワイヤレスイヤホンの普及でイヤホンユーザーは増えている。大場先生は、ライフスタイルの変化を踏まえ、「外耳炎にかかる人は今後もっと増える」とした上で、「対策としては、なるべくつけないか、オープンイヤー型で耳をふさがないようにすれば外耳炎にかかるリスクは減る」と話した。