2023.07.14 【電子部品技術総合特集】ホシデン 中井保夫執行役員技術本部長兼研究開発担当

中井 執行役員

マーケティング力を強化へ

ストーリーを可視化

 ホシデンは、「新技術・新製品の開発」「新規市場開拓」を研究開発部門のミッションとし、数年前に技術・製品開発スキームを抜本的に改善。マーケティング力を強化する。

 中井保夫執行役員技術本部長兼研究開発担当は「開発企画立案時には明確で論理的な成功イメージ、ビジネス化の実現というゴールに向けた具体的なストーリーの可視化が必要だ。各研究開発テーマのビジネス化できる確率を高め、日々の研究開発業務に対する社員の責任感の増加、モチベーションの向上を促し、プロアクティブな人材育成へとつながっている」と説明する。

 研究は①10年先を見据えたテーマ(ビジネス規模)②数年後に開発フェーズに進める前提のテーマ(ビジネス成功率)に極力仕分けし、ヒット製品を続けて創出できる体制を整備。開発は、研究テーマのほか、過去の自社開発品や既存製品の延長線上に位置する新規アイテムに取り組む。

 グループの全技術部門との連携強化、実務部門への新技術継承、グループの既存技術の有効活用、産学連携を推進。車載カメラ用高速伝送コネクターや、医療機器向け光通信モジュールを製品化。医療機器、産業機器向けに独自の無接点給電モジュール技術、近距離高速無接点通信技術を活用した製品を開発。エネルギー関連、IoT・DX、予防医療向けのペロブスカイト太陽電池の量産化や、エナジーハーベスティング、LPWA無線通信技術、センサー技術による各種センサーモジュールの新製品開発を加速する。

 6G時代に向けて機構、高速伝送、無線、音響、フィルム、複合化の各技術を生かした新製品創出を目指し、新規性の高い研究テーマに取り組む。サステナビリティーにも材料メーカーとの協業による新エコ材料などの採用の検討や、軽量化で省エネにつながる製品開発、CO2削減、プラごみ問題解決、環境破壊防止につながる研究開発テーマの比率を高め、社会課題解決に貢献する。