2023.07.19 太陽誘電が常州拠点に最先端工場 積層セラミックコンデンサー増強 環境に配慮、温室効果ガス削減
太陽誘電(常州)
太陽誘電の中国子会社である太陽誘電(常州)電子(秋本欣男総経理、江蘇省常州市)で、建設が進められていた工場棟や事務棟などが完成し、同所でこのほど、竣工(しゅんこう)式が開かれた。積層セラミックコンデンサー(MLCC)の能力増強を図る。建屋の投資額は約180億円。
太陽誘電は、中期的な積層セラミックコンデンサーの能力増強計画の一環として、2019年に同子会社を設立し、生産立ち上げの準備を進めてきた。
新工場は延べ床面積約8万平方メートル、建築面積約2万8500平方メートル、21年12月に着工していた。
MLCCは、電気自動車(EV)をはじめ自動車の電動化などでニーズが高まっている。特に中国では新興のEVメーカーも多数勃興し、市場が拡大していることから、日系各社も追従して能力拡大を図っている。
太陽誘電も、今月に中国・上海で開催されたエレクトロニカチャイナでも、主力商品の柱として訴求するなど力を入れている。
新工場は、各種設備の効率化による省エネや創エネなどを通じて温室効果ガス削減に貢献し、環境にも配慮した最先端の工場になる。中国企業でも、自社製品の部品の生産段階から脱炭素に注目する機運が広がっており、それに対応する形にもなる。
同社は「今後も、エレクトロニクス機器の進化を支える電子部品を開発するとともに、顧客へのタイムリーな供給を目指していく」としている。