2023.07.27 装着した姿はサイボーグ 購入ハードル上げた眼鏡 スタートアップが開発
自動でピント調節してくれる眼鏡「ViXion01」
あえて購入ハードルを上げ、〝特殊性〟を打ち出した眼鏡が登場する。独自開発したレンズを搭載することで、遠くの景色も近くの文字も自動でピント調節してくれる眼鏡「ViXion01」だ。エッジを利かせたデザインにより、装着した姿はサイボーグのよう。光学機器大手HOYAからスピンアウトしたメンバーが開発しており、残り約1カ月を残しながら、クラウドファンディングで2億円の資金を集め、話題を呼んでいる。
開発したのはスタートアップのViXion(ヴィクシオン、東京都中央区)。6月29日からCCC系クラファン「グリーンファンディング」と「kibidango(きびだんご)」の共催で開始し、15分で目標の500万円を達成。1カ月ほどで2億円を超える資金を集めている。
南部誠一郎社長は「デザインにエッジを利かせて、普通の眼鏡ではないということがあえて分かるようにし、購入のハードルを上げた」と強調。「これを着けて外は歩かないでしょう」と特殊性に自信たっぷりだ。世界的なデザインファームnendoの佐藤オオキ氏がデザインした。
ViXion01のレンズは小さく、視野が狭い。それゆえ用途は限定的。まだ発展途上の製品だが、それでも視力に課題を持つ人々をサポートできると考え、製品化に踏み切った。細かな手作業を行う職人やネイリストなどからの引き合いもあり、購入者層は50代の男性が最も多い。
クラファンでの価格は7万円程度。年内の一般販売を目指し、家電量販店などと交渉を進めているところだ。一般販売時の価格は10万円程度を想定する。