2023.08.16 デジタル庁、政府クラウドの選定要件緩和へ 国産の参入後押し
デジタル庁は、政府や地方自治体が共同利用するクラウドサービスの共通基盤「ガバメントクラウド(政府クラウド)」の提供事業者を選定する際の要件を緩和する方針を明らかにした。1社で要件を満たす必要がある現行ルールを見直し、複数の企業が共同で提案できるようにする。外資に依存する政府クラウドに、国内企業が参入しやすくなりそうだ。
同庁は8月中にも、政府クラウドの提供事業者に関する新たな選定要件を発表して公募を始めるものとみられる。
同庁は政府クラウドに求める技術要件に事業者の意見を反映しようと、5~6月に市場調査を行った。調査の結果、「複数のクラウドサービス提供事業者が連携して提供する形態を認めてほしい」などの要望が浮上。第三者製品を組み合わせることで機能を補完する形態の容認などを望む声も寄せられた。
2022年度の公募では、セキュリティーや業務継続性などの技術要件を満たす米国企業のクラウドサービスが存在感を発揮。アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のほか、グーグル、マイクロソフト、オラクルのサービスが選ばれた。
政府は25年度までに、自治体で政府クラウドを利用できる体制を整えることを目指す。機密性の高いデータを扱う政府クラウドを巡っては、経済安全保障の観点から競争力のある国産クラウドの導入を求める意見も挙がっていた。政府は、経済安保を確保するための「特定重要物資」の一つとしてクラウドを指定している。