2020.02.24 【電波時評】流行の罠 思考の陥没 本質的議論

 経営用語の流行に翻弄されると、自らの経営の海図と羅針盤を見失う。選択・集中と多様化とでは本質的に相いれぬものだ(1月31日付本欄)。今日は、魅惑的な「本質」という語にピンと来た本質志向の読者諸兄への警句である。「本質」。辞典的には「それをそれたらしめる性質」程度だろう。用例は「君の意見は本質を突いていない」などだろう。

 「我が見解は本質でない」と信じて見解を表明する者はおるまい。その謙虚さがあれば良いが、普通逆だ。「本質」の...  (つづく)