2023.08.25 ヨドバシ子会社の登山家、7708メートルのティリチミールの未踏の北壁登頂を報告

登頂を報告する平出氏(左)と中島氏

登頂時に中島氏が着用していた装備登頂時に中島氏が着用していた装備

 ヨドバシホールディングス(HD)傘下の石井スポーツは25日、所属する登山家・山岳カメラマンの平出和也氏と中島健郎氏が、パキスタン・ティリチミール7708メートル未踏の北壁登頂に成功した報告会を開催した。

 平出氏は、2001年にティリチミール北壁が未踏で残されていることに気づき、「いつかはその場所に行きたいと思っていた」と説明。北壁を隠すように山の〝要塞〟が囲っていることで、これまで未踏だったのではないかと分析した。

 北壁の前には氷河があり、登頂への挑戦を開始した2日目にはそこに降り立った。眼前の北壁を見上げ、「いよいよ始まるクライミングにワクワクしていた」(中島氏)。北壁に挑戦するという3日目は早朝から霧となるなど、さまざまなアクシデントに見舞われながらも登り続けた。

 7200メートルでキャンプをし、山頂を目指すだけとなった6日目。「ベースキャンプを出てから一番天気のいい日」(平出氏)となり、絶好のコンディションで山頂に到達。

 山頂について平出氏は「広く穏やかだった。(登頂中とは)全く別物のような平和があった」と感想を述べ、中島氏は「ついに来れたかと感動し、涙がこぼれた」と思いを振り返った。

 両氏はその後、2日かけてベースキャンプに戻り、現地住民からは登頂成功をさまざまな形で祝福されたという。未踏の登山ルートには名前が付けられるため、両氏は通ったルートを「SECRET LINE(シークレット・ライン)」と名付けた。9月には今回の登頂を海外山岳映画祭に短編作品として出品し、来春には長編作品の国内公開を予定する。

 来年夏には、エベレストに次ぐ世界2位の高さのK2(ケイツー)西壁の登頂に挑戦することも表明した。

 (後日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)