2023.08.29 米キーサイト、AIや次世代車で展望 ダナセカランCEOが来日
ダナセカラン氏(左)とチエ氏
米通信計測機器大手のキーサイト・テクノロジーは28日、都内でメディア向け説明会を開いた。
昨日開幕したプライベートイベント「キーサイトワールド2023」を前に開かれたプレスカンファレンス。サティッシュ・ダナセカラン社長兼CEOが来日し、AI(人工知能)や次世代自動車について戦略と展望を語った。
計測業界をめぐるメガトレンドとしてまず挙げたのが半導体や通信技術の急速な進化だ。
半導体は回路線幅2ナノメートルに向けて進展する微細化やSiC(炭化ケイ素)などの新材料、シリコン基板上に光の集積回路を作る「シリコンフォトニクス」の開発が進行。高速通信規格5Gやギガビットイーサネットなどで無線・有線の通信速度がさらに向上が図られる姿から「今後10年の間でさらに大きな変革が生まれるだろう」との見通しを示した。
単なる自動化のツールだったAIは複雑な意思決定が可能なシステムに進化。同社では計測器を制御して自動化を進めるソフトウエアの提供に力を入れてきたが、AIの活用で顧客の要望が変化し「自動的に取り込んだ計測データから予測分析し、素早く意思決定をしたい」という声が高まってきたという。
一方、「システム自身が意思決定するリスクについて社会として考えなければならない」とも言及。「倫理的なAIの概念が求められるのではないか」と問題提起した。
自動車分野ではキーサイトならではの提案として、「バッテリーメーカー向けにラボでのさまざまな条件下でエミュレーション(模擬)ができるソリューション」を紹介した。
(30日の電波新聞/電波デジタルで掲載します)