2023.08.31 【ソリューションプロバイダー特集】NECネクサソリューションズ 木下孝彦社長
サービスを共通化し提供
クローバーネットの機能拡充
上期は、2桁成長の増収増益で着地した昨年度からの好調を維持している。コロナ禍では公共系の事業が下支えしてきたが、苦戦してきたホテルや流通、交通も5類移行で人流が戻り全般的に明るい状況。売上高・利益とも昨年度を上回る勢いだ。
人材不足や原材料費が高騰する中で、デジタルへの期待は大きく、基幹系システムのクラウド移行も含め受注は着実に増えている。大手ホテルの基幹システムなど大型案件も目立ってきた。
四つのテーマに重点的に取り組んでいる。一つ目は顧客に対する付加価値の強化。二つ目は社内指標にプラス1%上乗せ。三つ目は人への投資。人材獲得は厳しい状況が続いており、現有メンバーのスキル向上が重要だ。四つ目はデータドリブン経営。まず社内の基幹システム更新への対応と、蓄積されたデータ活用を進めたい。
4項目の底上げを通じて、これまでは個別企業へのシステム構築が中心だったが、当社が培ってきたノウハウを「共通サービス」として提供するスタイルへの転換を図っている。
当社のターゲットである中堅中小企業に対し、安価で導入しやすい形で展開するのがわれわれの使命。業務システムのシェアナンバーワン獲得にはさらに強みを磨く必要がある。
その受け皿となるのが、主力のインターネットサービス「クローバーネット」だ。昨年12月に発売から20年が経過したのを機にシリーズ化し、通信だけではなく、人工知能(AI)や統合基幹業務システム(ERP)、多言語翻訳システムなど各種サービスをそろえた。8月にはセキュリティーサポートも充実させた。今後も機能強化を続け2024年までには仕上げたい。
蔵書や貸し出しを管理する図書館向けのシステムは昨年度20社近くの新規案件を獲得した。今年度も毎月1~2件のペースで導入が進んでおり、将来的には自治体や病院も含めた共通基盤も構築し、市民生活の利便性の向上を支援したい。
こうした実績は、顧客に寄り添っていく中で着実に積み上げてきた信頼感や品質を認めていただけた成果だと実感している。サポートまで継続して展開し、ニーズを捉えて次の製品投資につなげたい。
人材育成では知見の共有に向け、最新技術や売れ筋情報といったテーマを選び、社員向けのウェビナーを毎週開催している。各部署の成功事例だけでなく失敗事例も学んでもらい人材の底上げを図りたい。