2023.08.31 【ソリューションプロバイダー特集】三菱電機インフォメーションシステムズ 中野隆雅社長
製造業もDX案件が活発
スマート工場ソリューションの提供開始
ICT市場は、コロナ禍で低迷していた企業のIT投資が上向きに転じている。IT人材不足、高齢化の問題もあり、会社の仕組みをデジタル化することで、生産性の向上、業務の効率化を実現するDX化への取り組みが本格化している。
2023年度上期の業績は、22年度に引き続き順調だ。売上高は前年同期比で10%近い伸びで推移、開発投資や人材投資を増やしているが、利益も計画通り進捗している。
特に製造業分野は、売り上げが20%近く伸びている。製造業もDX案件が活発だ。引き続きSAP案件が堅調なのに加え、DX化で製造業のデジタル化を促進するMES(製造実行システム)の案件が多く、データの基幹連携のニーズが高まっている。また、脱炭素に向けたカーボンニュートラルの取り組みも本格化してきた。
製造業分野に向けソリューションを強化しているが、8月から「スマート工場ソリューション Kizkia-Meter」の提供を開始した。三菱電機のAI(人工知能)技術を基に、当社が開発した映像解析ソリューション「Kizkia」により人が巡回することなく、工場の稼働状況を把握できる。
カーボンニュートラルでは、サプライチェーン全体のGHG(温室効果ガス)排出量を効果的に見える化するクラウドサービス「cocono(ココノ)」を提供している。
金融業も、セキュリティー、ネットワークなどITインフラ系が好調で10%以上の伸びとなっている。業務の効率化、コンプライアンスの強化などの引き合いが活発だ。「電話発信認証サービスTELEO(テレオ)」は、電話をかけるだけで、簡単に本人認証ができるクラウドサービスとして、金融機関などで評判が良い。
Microsoft Teams録音サービス「nokos(ノコス)」を提供しているが、7月末からZoom自動録音機能を追加、「Web会議録音サービス nokos」として提供開始した。
サービス業向けも、新しい価値の提供を交通系や介護分野などにも広げている。
スカイアーチネットワークスと共同出資で「クラウドセントリック」社を設立、クラウド関連事業やプロジェクトへの対応力の強化を図っている。
今後、一段のソリューションの充実、コンサルティング力の強化で、事業領域を広げていくとともに、三菱電機の「循環型デジタル・エンジニアリング企業」への変革にも貢献していきたい。