2023.09.08 自治体システムの標準化、移行期限遅れを容認 閣議決定
政府は8日の閣議で、原則全ての自治体がクラウドサービスの共通基盤「ガバメントクラウド」上に構築された標準準拠システムへ移行することを目指す計画の基本方針を改定した。2025年度末としていた同システムへの移行期限について、移行が困難な一部システムに限り、例外的に遅れることを容認した。
今回改定するのは、「地方公共団体情報システム標準化基本方針」。自治体が利用する基幹業務システムを25年度末までに移行するという目標は、改定後も堅持する。
その上で、各自治体の移行作業が同時期に集中する課題などを踏まえ、23年度中に自治体が早期に移行計画の策定や移行先システムに関わる事業者の決定を行えるよう集中的に支援。移行時期を分散できるようにする。
「移行の難易度が極めて高い」と考えられるシステムについて、デジタル庁と総務省が対処方法を精査した上で、所要の移行完了期限を設定する。例えば、通常より移行に時間がかかる場合のほか、現行事業者が標準準拠システムの開発から撤退したが代替事業者が見つからないといったケースが想定される。
政府は、税や医療・介護などに関する20の基幹業務のシステムについて、国の標準化基準に適合したシステムへ移行するよう義務付けている。システムを政府が整備するガバメントクラウド上に移すことで、自治体がコストを抑えながら迅速に住民向けサービスを提供できるようにする。
今回の改定は、自治体の移行スケジュールに関する調査などの結果を踏まえたもの。河野太郎デジタル相は閣議後の記者会見で、「引き続き自治体や事業者の意見を丁寧に聞き、しっかり意見交換しながら、着実に取り組みを進めたい」と述べた。