2023.09.11 データ侵害コスト過去最高更新 IBM調査、AIや自動化で対策呼び掛け

データ侵害時に発生する日本の平均総コスト

 サイバー攻撃によるデータ侵害に対する平均コストが2023年は過去最高の445万ドル(約6億5000万円)となり、過去3年間で15%増加していることが、日本IBMが11日に公表した調査レポートで分かった。データ侵害を企業自身で発見できたのは3割にとどまる一方、人工知能(AI)や自動化によって被害対応が大幅に短縮されることも傾向として見えてきた。

 調査はIBMが米調査会社を通じて18年間継続して行っており、今回は昨年3月~今年3月の間、日本を含む17国・地域の17業種を対象に553社を対象に実施。分析結果を「2023年データ侵害のコストに関する調査レポート」としてまとめた。

 結果によると、調査対象企業の95%がデータ侵害を1回以上経験していると回答。被害企業の51%がセキュリティーへの投資を増やした一方、57%はコストを消費者側に転嫁していた。

 データ侵害の検知と封じ込めまでに要した平均期間は277日。1回のデータ侵害にかかる世界平均コストは22年比で2.3%増加。日本でも前年比6.7%増の約6億円と過去最高を記録し、20年比で25%増加した。

 (12日付の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)