2023.09.22 【部品メーカー商社ASEAN特集】ヨコオ・エレクトロニクス・ベトナム ヨコオ

ヨコオ・エレクトロニクス・ベトナムの外観

新井 MD新井 MD

半導体検査用プローブ生産、ベトナム工場の稼働開始

 ヨコオは、2023年2月に生産子会社である「ヨコオ・エレクトロニクス・ベトナム(略称=YEV)」(新井義貴MD=マネージングダイレクター)の稼働を開始した。

 新工場は、半導体検査用プローブ製造拠点としては、マザー工場である群馬県富岡市の生産工場とマレーシア工場に続く、第3の生産拠点となる。国内マザー工場をモデル工場とした最新鋭の自動生産設備とクリーンルームを導入し、高い品質水準で半導体検査用プローブを製造する。

 ベトナムは、労務費が安価で、政情が安定していることに加え、VCCS事業の生産工場「ヨコオ・ベトナム」が既に稼働しており、10年以上に知見がある。また、30歳前後の人口分布が厚く、増加傾向にあり、将来の労働力が見込めることから生産拠点に選定した。

 首都のハノイまで車で45分のフンイエン省第二タンロン工業団地に立地する新工場は、延べ床面積2430平方メートル。資本金は44億3000万ドン(約2500万円)で、ヨコオが全額出資している。

 23年現在は、世界的なインフレや在宅勤務の特需が一巡したことなどから、個人消費が低迷しており半導体市場が失速している。同社は、この落ち込みは一時的なものと捉え、今後の市場回復に向け、24年3月までに半導体検査用プローブの生産能力を月産100万本まで引き上げていく予定だ。

 また、BCP(事業継続計画)の観点から各工場の生産比率を平準化するとともに、需要回復期の急な受注拡大にも迅速に対応できるように生産体制を整備していく。

 ヨコオ・エレクトロニクス・ベトナムは、最新鋭の自動生産設備とIT環境を備えることに加え、クリーンルーム環境で高い品質水準の生産を行えるよう体制を整えている。

 同社グループのベトナム国内の工場としては、このほか、自動車用アンテナなどを製造する「ヨコオ・ベトナム」がある。