2023.09.22 【部品メーカー商社ASEAN特集】ノーブルエレクトロニクスベトナム 帝国通信工業

拠点の外観

野村 MD野村 MD

一貫生産確立で顧客満足を目標

 帝国通信工業のベトナム工場(ノーブルエレクトロニクスベトナム、野村修MD)は、同社が100%出資し、2006年に設立された。ハノイ市内から30キロメートルの西部、ホアラック・ハイテクパークに立地する。

 国家プロジェクトとあって、最新技術の移転、開発の中心となる科学技術都市の建設を目指し開発された。入居にはハイテク企業認定が必要で、法人税の優遇措置を受けられる。

 独自のセル生産方式と管理方式を導入し、地球環境に対応した材料調達、生産効率化に配慮した自動化・省人化の生産設備により、一貫生産ライン体制の確立を目指し、顧客満足を目標とする。

 コスト競争意識を高めることや、省人化・省力化、品質維持、環境保全を掲げる。

 約10年前にタイ洪水によるタイ工場からの操作スイッチユニットの生産移転があったほか、可変抵抗器の生産開始などで黒字化を達成。

 操作スイッチユニットの客先受注の減少で、一時は伸び悩んだが、20年から生産開始したロータリーセンサーの受注が好調で、売り上げ・利益共に復活した。

 設備投資も今後の成長性と潜在力の高さから積極的な投資を計画。成型機や自動組み立て機などの大型設備を投資する予定だ。

 また、本社のグループ内での生産品目の集約や移転計画に基づき、工場拡張も視野に生産現場のレイアウト変更を実施中。

 最近の話題としては、近年の脱中国の動きに伴い、ベトナム国内での部材調達・生産・納入について顧客から相談を受ける機会が増えている。

 その流れに合わせ、シンガポールノーブル(販社)と協力して、ベトナムの納入先顧客へのサポートを拡充。ベトナムにある顧客への訪問機会増加やベトナム人サポートスタッフの増員などを進める。

 さらに、部材現地調達・ベトナム国内取引拡大のため、展示会・商談会への出展を展開。ローカル企業へ同社が購入したい部材のPR、また製品のPRを進める。