2023.09.22 【部品メーカー商社ASEAN特集】リ・チャンプ たけびし
田村 社長
プラスワン活動など3点で実績拡大
たけびしは、2023年3月期通期の売上高が過去最高の974億円となり、前期比119%と大幅伸長した。5カ年計画で進めていた23年3月期を最終年度とする中期ビジョン「T-Link1000」では東南アジア事業の強化をテーマとし、5年間で165億円売り上げを伸ばした。そのけん引役となっていたのが、21年6月にグループとなったシンガポールで電子部品・機器販売を行うLe Champ(リ・チャンプ)だ。
リ・チャンプは1982年にシンガポールで設立。東南アジアを中心に8国14拠点。顧客数は約600社で、仕入れ先は約200社。スタッフは全体で約150人体制。22年1~12月の売上高は約168億円で、前年の130億円から大きく数字を伸ばした。売上高は2年連続で過去最高を更新している。
1~6月の状況は取引先の在庫調整などで落ち着いた状況が続いているものの、管轄するインドでの実績が好調に推移している。また、タイでの車載向け需要も好調だ。フィリピンも順調に推移しているという。インドについて、田村裕明社長は「EV(電気自動車)向けや二輪車向けなどモビリティー向けの需要が強い。また、スマートメーター向けなどのエネルギー向け需要も旺盛」と話す。足元の状況も1~6月の傾向が続いている。
10月以降は①プラスワン活動②仕入れ先の拡大③たけびしとの連携強化--の3点で実績を高める。プラスワン活動は取引先への提案を、従来の取り扱い製品に新たな商材を加えた総合提案で攻める活動。幅広い仕入れ先の強みを生かす。仕入れ先の拡大では主に台湾に注力。特に家電向けや車載向けをターゲットとして拡販に取り組んでいく。
たけびしとの連携は従来推進してきたクロスセル活動に加え、OPCサーバーなど、たけびしのオリジナル製品をリ・チャンプの販売網で提案。インドなどで開催される展示会でオリジナル商品を展示し訴求を強める。
また、この春からFAビジネスにおいて、マレーシアで連携して提案する体制を整えた。クアラルンプールやペナンなどを中心に新たなビジネスを創出できる体制を構築する。
田村社長は「今期は若干厳しい局面があるかもしれないが、現在推進している重点取り組みを加速させ、実績を高める活動に注力したい」と語った。