2023.09.22 【部品メーカー商社ASEAN特集】おおとりマレーシア 岡本無線電機
テン GM
ローカル企業など新規開拓に努力
岡本無線電機は、2019年におおとりマレーシアをクアラルンプールに開設し、4年が経過した。日系の取引先を中心にローカル企業も開拓。23年4月からの今年度の実績は、前年成長を成し遂げる。おおとりマレーシアの曽天財(チャン・テン チャイ)ゼネラルマネージャー(GM)は「エレクトロニクス業界の生産拠点としてのマレーシアが注目される状況下、ローカル企業など新規開拓にも努めたい」と話す。
おおとりマレーシアは拠点開設当時からクアラルンプール中心市街のKLセントラル駅から近いビルに立地。従業員は4人体制。マレーシアの日系企業やローカル企業などをターゲットに販売を強化している。現状、日系向けの売り上げが8割以上。一方、ローカル企業の開拓も進み、取引企業の4割が地元系。
今年度上期は、パソコン周辺機器や楽器向けなどの民生用需要を中心に順調に推移している。一方、足元では現地の生産体制が減少し、在庫調整局面から落ち着いている状況も続く。上期の実績は、前年並みの水準で着地する予定。下期は上昇局面になる見込み。民生向け需要を中心に、半導体向けや車載向けなどの取り組みを強化し実績を高める。
テンGMは「当社ではAutomotive、Medical、Environmentの3分野に加え、Robot分野への活動を国内外で強化している。マレーシアでは外資系企業の自動車工場の動きが活発でガソリン車だけでなく、EV(電気自動車)向けの需要も大きくなっている。また、クリーンエネルギーへの政策も政府が後押ししており、関連する需要の伸びを期待できる」と話す。
取り組み強化のために同社では、人員の増員を図りつつ、ローカル企業の開拓を進める。また、マレーシアではメーカーの研究開発拠点などがあり、セールスマンの技術武装を図りながら、提案活動を強化。本社の販促本部からの支援ももらい、開拓を進める。
周辺拠点との連携も推進。日系企業の情報を本社と共有しながら、シンガポールなど周辺拠点との定例ミーティングを進め、ASEANブロックでの連携強化を図る。テンGMは「下期は2桁成長を見込んでおり、通期では前年実績を上回る見込み。電装開発からソフトウエアの設計などのグループの強みとなっている技術力を生かしながら実績を高めたい」と抱負を語った。