2023.09.22 【部品メーカー商社ASEAN特集】タチバナ オーバーシーズ ホールディングス 立花エレテック
中村 MD
新しい時代見据え体制づくりに力
立花エレテックは、海外7社の持ち株会社「タチバナ オーバーシーズ ホールディングス」(TOH、香港)で新しい時代に適合した海外事業体制づくりを進めている。
TOHの中村喜則マネージングディレクター(MD)は「全社でコロナ後の新しい時代を見据えた取り組みを進める中で、TOHにおいても地産地消を意識して、新たなサプライチェーンの構築やローカルマーケットの開拓、ローカルスタッフの育成などに力を入れている。世界的な景気減速、IT関連機器の需要低迷、家電製品や産業機器の在庫調整などで市況は大きく変化しているが、2021年度から取り組んできた新しい時代に適合した体制づくりを加速し、ASEAN、中国のアジア市場ニーズにしっかり応えていくためには、市場、顧客の情報をいち早くつかみ、迅速に対応していくことが大切だ」と話す。
21年には創業100周年を無事迎え、続く22年度に売上高、利益いずれも過去最高を更新。次の100周年に向け新しい時代に適合した体制で継続して2000億円以上を売り上げられる基盤づくりに取り組む中長期経営計画「NEW C.C.J2200」(21~25年度)を計画通り進めている。
TOHも同計画に沿って21年度から新しい体制づくりを推進している。プロジェクトで取り組んできた受発注や在庫など、グローバルに情報を共有する新営業システムを年明けから運用。半導体を含めた電子デバイスの安心、安全な供給体制を敷く。
ローカルマーケットの開拓も注力マーケットを絞り込み、日系、ローカルの両顧客を開拓。ASEANはシンガポール、タイに、20年に営業所を現地法人化したマレーシアを加えた3販売会社を核にタイ、マレーシアに設けた半導体技術サポートセンターの技術営業サポート力を強化。半導体、FAを中心に製品と技術をトータルで提供する技術商社の強みを発揮する。
中村MDは「各拠点の増員を図りながら営業、エンジニア、経営のローカル化を進め、モノからコトに変化する顧客ニーズを把握する。スピード感を持って技術商社ならではの提案、サービスを提供していく」と、本社とともにアジアのリーディングカンパニーを目指す。