2023.09.22 プリント配線板の設計、AI搭載で自動配線 図研がオプションソフトを提供

 図研は、AI(人工知能)を搭載したプリント基板およびアドバンストパッケージ設計用自動配置配線機能「Autonomous Intelligent Place and Route」をオプションソフトウエア製品としてリリース開始した。

 電気設計者は難易度の高い複雑な設計を限られた期間内に行っているが、半導体やECU(電子基板)などの電子部品の高機能化、統合化に伴い、設計に多くの工数と時間を費やしている。しかも、人的リソース枯渇の問題もあり、今後、一層深刻化することが懸念されている。

 こうした課題を解決するため、今回、作業効率を画期的に向上する効果が期待できる設計領域において、新たなソリューションを投入した。

 同社で学習済みの特徴データベースを利用した自動配置配線機能のほか、基板内の類似パターンを認識して一括で配線する模倣配線、コネクターやBGAへのバス配線を自動生成するバス終端配線候補生成など汎用(はんよう)的な機能を先行して販売開始する。

 CR-8000 Design Forceのオプションソフトウエア製品として提供する。

 同社の英国・日本の技術部門が共同開発した独自技術によるAIエンジンをCR-8000シリーズに組み込み、CAD上の配置配線コマンドと直接連携させることで高速動作を実現する。

 今後、順次その機能を強化し、より幅広い設計要件に対して柔軟に適用可能なソリューションとして発展させる。最終的にはユーザー固有の設計要件を学習させることで独自の特徴データベースを形成し、それを戦略的に切り替えて自律的な自動配置配線を行うフローを実現する計画。