2023.10.17 【CEATEC 2023特集】グローバルエリア 海外の最新トレンドなどが一堂 9カ国・地域がパビリオン設置
総務省の支援で実現したウクライナパビリオン。台湾パビリオン(左)はDXと情報セキュリティーを注力展示する
「グローバルエリア」は海外の国・地域の最新トレンドや革新的なソリューションが一堂に会する。9カ国・地域がパビリオンを設置し、コンファレンスやピッチステージでのショートプレゼンテーションなどを展開する。
米国は「成功する遠隔」として多彩なリモート技術を紹介する。スマートグラスを使って本社と遠隔地にある現場をつないだり、顧客や従業員の声をAI(人工知能)分析で改善する試みなど実用的で汎用(はんよう)性の高い技術やプラットフォームを展示する。
カナダはオンタリオ州政府をはじめIT各社が参加。スマートグリッドやスマートマニュファクチャリング向けAIソリューションなどを紹介する。
欧州ではフランスから既に日本進出を果たした企業を含む先端テクノロジー分野の11社が出展。CEATECを機に日本のパートナーや顧客との関係強化を企図する。世界有数のスタートアップ大国となった同国政府の政策やエコシステム、成果を紹介する講演も開催する。
英国はAIや量子技術に関するセッションが充実。先端技術の可能性や日英の連携について東芝の佐田豊執行役上席常務CTOらが講演する。
北欧からは2カ国。フィンランドは「北欧のシリコンバレー」と呼ばれるIT都市のオウル市から世界最小アクティブノイズキャンセルデジタル耳栓やインテリジェント・マイクロコントローラーなどを開発する企業を選抜した。デンマークは「デンマークのデジタル政策-プライバシーを守る未来の医療」をテーマに講演し、業界を横断し透明性を保ちながら安全な方法でデータを共有する「データオーナーシップ」の未来を構想する。
注目されるウクライナパビリオンは総務省の支援で実現した。電子機器が主要輸出品目の一つである同国。多くのICT人材を抱え、日本とのビジネス拡大を目指しており、同国政府や企業11社とIT Ukraine AssociationがICT関連の製品やサービスをそろえた。日本企業とのビジネスを通じた同国経済の早期復興に寄与し、日本企業の新たな海外展開のきっかけを提供するのが狙いだ。
アジアでは台湾情報セキュリティ協会(TWISA)らが主催し、「台湾サイバーセキュリティ&イノベーション パビリオン」として出展。10社がアイデンティティー認証や情報の暗号化と管理、エンドポイント管理など、DX(デジタルトランスフォーメーション)と情報セキュリティーのイノベーションを訴求する。
来月に開催される国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP28)で議長国となるアラブ首長国連邦(UAE)は前回が初出展。グリーンイノベーションに重点を置いたAIなど先端技術の導入に力を入れており、UAE大使館が最先端技術の有望なスタートアップ企業をプロモートする。