2023.10.26 【次世代自動車用部品特集】大陽ステンレススプリング 樹脂成形加工技術を積極拡大 栃木に専用工場設立

樹脂成形加工品

 大陽ステンレススプリングは、主力の金属加工事業に加え、樹脂成形加工事業の積極的な拡大を推進している。車載用製品をはじめ、幅広いアプリケーションに提案し、顧客ニーズにマッチした製品を供給する。

 同社は、長年培ってきた金属加工技術に加え、樹脂成形加工技術を有している。通常の金属加工に加えて、金属の樹脂化による軽量化や機器のモジュール化にも対応すべく、樹脂成形、インサート成形、アウトサート加工/組み立ても行う。

 「樹脂の強度不足を補いたい」「樹脂にばね性機能を付加させたい」など、金属と樹脂の複合部品が必要な場合、同社は金属加工と樹脂成形の両技術を併せ持ち、それらを全て自社内で製造対応できるため、大きなコストメリットを生み出すことができる。

 樹脂成形加工技術の専用工場として、とちぎ千塚工場(栃木県栃木市)を設立。樹脂成形、インサート成形、アウトサート加工/組み立ての専用工場。エアシャワーを完備し徹底したクリーンな環境での生産体制と最新設備で精度の高い品質とコストダウンを実現する。同工場は射出成形機を横型・縦型合わせ、計24台設置済み。加工可能な樹脂材料は、PPS、PBT、POM、PP、PC、ABS、LCP(液晶ポリマー)などの熱可塑性樹脂。

 同社はこのほか、高精度のフォーミング加工技術で、多種多様なフォーミング(丸め)加工製品へのニーズに対応する。「インサートブシュ」は、引抜力を向上させた新タイプ「インサートブシュ WCH」を開発した。ディンプルを従来の正方形から長方形に変更したことで、「空転」「抜け」を防止。低価格での提供が可能。自動車部品、産業機器部品、樹脂同時成形品などに採用されている。材質は、鉄、ステンレス、銅材など。

 スペーサー部品は複雑形状かつ低価格化を実現。メタルブシュは優れた回転、摺動(しょうどう)、はめ合い性、耐摩耗性などが特徴で、自動車部品、産業機器、表示設備などに採用されている。