JVCケンウッドは、「ハムフェア2023」で展示された、144／430メガヘルツバンド用のデュアルバンドハンディートランシーバー「TH-D75」を、24年1月下旬に発売すると発表した。

　同機は、D-STAR方式のデジタルモードの2波同時受信対応に加え、リフレクター(音声中継)・ターミナルモードに対応。単独デジピーター機能が追加されるなど、旧モデルに対し機能を充実させた。また、新たにスマホやPCなどで標準装備されることが多いUSB Type-Cにも対応。手軽に充電やPC接続ができるようになった。

　本機はV／UHF帯用のトランシーバーであるが、長波帯からUHF帯までをFMだけでなく、AMやSSB、CWモード含めたマルチモードで受信できる機能も搭載し、HF帯のアマチュア無線を含む各種通信の受信も可能だ(V・UHF帯の一部は受信不可)。また、100キロヘルツ～10メガヘルツ程度の周波数に対応するバーアンテナも内蔵しているため、中短波帯の放送受信などが手軽にできる。

　その他の主な特徴としては、
・パケット通信の応用で双方向でリアルタイムデータ通信が可能な「APRS」対応
・GPSと連動した相対表示コンパスや気象局情報表示に対応
・DVファストデータモードの搭載。快適なデータ通信を実現
・中間周波信号をUSBポートに出力可能なため、サードパーティー製のPCアプリを使用すれば、PCのバンドスコープで近隣周波数の状態を確認可能
・SSB/CW受信時の近接妨害信号を軽減するIF受信フィルターを搭載
といったことが挙げられる。同機の価格は、8万9760円(税込み)。

　同社は、培ってきた無線技術を投入した本機を初心者からベテランまで幅広いユーザーニーズに応える新タイプのハンディー機として市場展開していく。