2023.11.07 アイリス、内製化した初の業務用清掃ロボット発売へ 「家電開発部」が開発主導

来年半ばに発売する「BROIT」

毎日の清掃が欠かせない汚水をかき集めるワイパー機構は、家電のような使い勝手で簡単に外して洗える毎日の清掃が欠かせない汚水をかき集めるワイパー機構は、家電のような使い勝手で簡単に外して洗える

 アイリスオーヤマが、自社の中国・大連工場で生産した業務用清掃ロボット「BROIT(ブロイト)」を来年半ばに売り出す。内製化した初めてのロボットで、「家電開発部」が家電のノウハウを生かして製品化したものだ。2027年度には清掃ロボット関連事業で1000億円の売り上げを目指していく。

 ブロイトは、家庭用ロボット掃除機のような簡単な操作とメンテナンス性を実現し、他社との差別化を図っている。加湿器開発で培った水漏れ防止技術や封止技術などが生かされている。これまではソフトバンクロボティクスの製品を販売していたが、今後は自社開発・生産品を軸にしていく。

 アイリスは、10月までに累計5000社超に清掃ロボットを導入してきた実績を持つ。そこで得た知見を生かしてシニア層や外国人など誰でも使える仕様を目指してブロイトを開発した。

 ブロイトは、ハードウエアはアイリスが開発したが、頭脳にあたるOSは他社製を搭載する。25年には、7月に買収した東大発のロボット企業「スマイルロボティクス」(8月に「シンクロボ」に社名変更)の開発するOSを搭載し、完全な自社開発品を市場に投入する予定だ。

 アイリスは、将来的な労働人口の減少に伴うロボット需要の予測として、ロボットに代替可能な産業に携わる人は国内で1800万人、先進国を中心とする海外では2億8000万人に上ると試算。潜在性は高いとにらみ、関連サービスの立ち上げや海外展開も進めていく方針だ。

 (後日、電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)