2023.11.07 経産省、北海道苫小牧市のデータセンターに300億円補助 ソフトバンクが建設予定

データセンターの完成イメージ(提供=ソフトバンク)

 経済産業省は7日、ソフトバンクが北海道苫小牧市にデータセンター(DC)を整備する計画に対して、最大で300億円を補助すると発表した。経産省はデジタル社会を支えるDCの分散立地を促す方針を示しており、今回の支援はその一環となる。

 経産省は、東京・大阪圏を補完・代替するDCの中核拠点を整備する事業者を公募。今回、ソフトバンクが採択された。

 同社は、2024年度に同市でDCの建設を始め、26年度に竣工する予定だ。事業費は総額で650億円超を見込んでおり、経産省がその半額を補助。土地造成や建物、サーバーなどが補助対象となる。

 DCの規模を示す総受電容量は10メガワットで、将来的には国内最大級の300メガワット超まで拡張する。高いデータ処理能力を持つ大規模な計算基盤を構築し、生成AI(人工知能)の開発などに活用。大学や研究機関などに幅広く提供することも計画している。

 生成AIの普及などを背景に、データ処理や処理に必要な電力需要が増加する方向にある。一方で国内のDCは、8割超が東京・大阪圏に集中。大規模な自然災害への備えや再生可能エネルギーの活用促進といった観点から、電力を大量に消費するDCの立地を地方の適地に分散させる課題も突き付けられている。

 西村康稔経産相は同日の閣議後記者会見で、「今後もデータセンターの地方分散、地方での立地をしっかりと支援していきたい」と強調した。