2023.11.15 【Inter BEE特集】 「Inter BEE2023」、幕張メッセできょう開幕 「コンテンツ」を中核 制作・伝送・体験の総合イベント

にぎわった昨年のInter BEEの会場

IPパビリオンでのIP伝送デモの様子(昨年のInter BEE)IPパビリオンでのIP伝送デモの様子(昨年のInter BEE)

 日本随一の音と映像と通信のプロフェッショナル展「Inter BEE2023」がきょう15日、幕張メッセ(千葉市美浜区)で開幕する。主催は電子情報技術産業協会(JEITA)。会期は17日まで。

 リアル展示会とオンライン展示会のハイブリッド型展示会として開催。オンライン展示会は6日からオープンしており、出展各社による展示製品やサービス、動画配信や各種プレセッションなどが紹介されている。会期は12月15日まで。

 今年も「コンテンツ」を中核に位置付け、コンテンツを「つくる(制作)」「おくる(伝送)」「うける(体験)」の技術要素を網羅した「メディア総合イベント」として開催する。

 会場では、プロフェッショナルのニーズに応えた「プロオーディオ部門」「エンターテインメント/ライティング部門」「映像制作/放送関連機材部門」「メディア・ソリューション部門」の4部門で構成され、人工知能(AI)やクラウド、IP、メタバース、リモート関連などの最新技術や製品・ソリューションが披露される。

 今年も充実した内容で特別企画が開催される。

 音響プロフェッショナルのための体験型デモイベント「INTER BEE EXPERIENCE」では、ワールドクラスのSRスピーカー体験デモ「INTER BEE EXPERIENCE X-Speaker」の実施に加え、ヘッドフォン/マイクロフォン試聴体験展示「INTER BEE EXPERIENCE X-Headphone X-Microphone」が4年ぶりに復活する。

 SRスピーカー体験デモには13製品が参加、世界のエンターテインメント・イベントで活躍する音の競演を行う。

 ヘッドフォン/マイクロフォン試聴体験展示は、5社7ブランドが参加し、プロ用機器を自由に試聴体験できる場を展開する。

 映像やコンテンツなど最先端のテクノロジーを発信する「INTER BEE IGNITION×DCEXPO」では、「DCEXPO」とコラボし、加速度的に進化するAI技術や先端コンテンツ技術、先端映像技術を発信する。今年から「スタートアップエリア」を新設。メディア&エンターテインメント産業における革新的なイノベーションとビジネス創出に取り組む20社を超えるスタートアップ企業が出展する。

 放送局のIP化に向け、その最新技術を発信する「INTER BEE IP PAVILION」。6回目となる今年は、出展34社がIP標準規格の「ST 2110」によるライブ制作のデモを行う。放送局の制作IPシステムの再現をさらに発展させ、初めて複数の放送局と外部のデータセンターとの連携デモで、一部システムを実際に体験できる。

 連携するデータセンターとしてIP PAVILIONブース内に「メッセデータセンター」、外部にNTTコミュニケーションズ提供の「大手町データセンター」、さくらインターネット提供の北海道にある「石狩データセンター」を設け、企業間の垣根を超えた連携により、幕張メッセ内にIP接続環境を再現する。

 放送の最新動向とその将来を発信してきた「INTER BEE CONNECTED」は、今年から「INTER BEE BORDERLESS」に名称を変更して実施。放送のさらなる進化に向けた課題と取り組みを発信する場として、展示と企画セッションを展開する。

 15日は「BORDERLESS DAY」をテーマに、放送と通信の境目を気にせずユーザーがコンテンツを楽しんでいる実態に対して、コンテンツの送り手はどう対処するかを議論する。16日は「LOCAL DAY」として、ローカル局の新しい取り組みを紹介し、経営目線や作り手目線など多様な視点で議論。17日は「FUTURE DAY」として、放送業界のボーダーレスな将来像を話し合う。

 映像制作のプロフェッショナルに向けて、世界的な動向を発信する「INTER BEE CREATIVE」では、市場が拡大する動画マーケティング分野に特化して、製作会社やクリエーターとマーケッター、企業の広報担当者などが情報交流のできる「動画マーケティングラウンジ」を新設。

 基調講演には、映画「キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩(うた)」を制作したウクライナの女性監督オレシャ・モルグネツ=イサイェンコ氏が登壇。16日には、同作品の特別上映会が国際会議室で実施される。

 オープンステージでは、16を超える企画セッションを実施。バーチャルプロダクションやポストプロダクション、AIなどのトピックを中心に、最新の映像制作ツールや技術を紹介する。