パナソニックは、脱炭素に貢献する事業の競争力強化を加速させるため、滋賀県草津市の拠点で実証実験中の「RE100ソリューション」を英国でも展開し、24年から実証をはじめる。

　電子レンジなどの製造・販売を行うパナソニック マニュファクチャリングイギリス(PMUK／英国・カーディフ)で、純水素型燃料電池と太陽電池を活用した自家発電により、事業活動で消費するエネルギーを100%再生可能エネルギーで賄うための電力需給運用の実証を行う。

　パナソニックの「RE100ソリューション」は、必要な電力需要や設置場所に合わせ最大250台まで連結可能な5kWタイプの純水素型燃料電池を用い、太陽電池、および蓄電池を組みあわせた「3電池連携」を高度に制御できる。　

　電力需要変化や天候による再生可能エネルギーの出力変化に追随する電力需給調整を行い、発電の余剰やムダを抑えて再生可能エネルギーを安定的に供給する。

　現在、国内の草津拠点で昨年4月15日から実証実験中のRE100ソリューション実証施設「H2 KIBOU FIELD」では、ほぼ100%再生可能エネルギーで、草津拠点にある燃料電池工場の電力を賄っている。

　パナソニック グローバル環境事業開発センターの加藤正雄センター長は「リアルにエネルギーマネジメント技術を駆使し3電池を連携させる実証は世界初の試みで、海外とくに欧州からの関心も高い」と話す。

　「カーボンニュートラルの達成、エネルギー安全保障等の観点から英国をはじめ欧州では水素エネルギーへの関心は高い。今後ドイツでも実証施設稼働を検討し、欧州での水素関連ビジネスの拡大を目指す」(加藤センター長)と話す。