2020.03.19 センシングデバイス、KOAが取り組み強化

KOAの白金薄膜温度センサー

高精度白金薄膜温度センサーなど豊富な品揃え

 KOAは、センシングデバイスへの取り組みを強化している。白金薄膜温度センサー、リニア抵抗器など各種温度センサーを豊富に取りそろえ、成長分野への提案活動を活発に展開している。

 抵抗温度特性の直線性があり、高精度で安定性の高い白金素子タイプでは、素子部の大きさがリード付き製品としては業界最小クラス(0.4×2ミリメートル)で耐熱600度の「SDT310VASP」を販売。これは熱式風速センサーのヒーターとしても使用できる。

 熱式風速センサーの温度補償用に好適な「SDT101シリーズ」ではこのカテゴリでは高抵抗値の1kΩの「SDT101SA」を新たに追加した。

 また、チップ型の「SDT73シリーズ」には耐熱250度で、はんだ実装が可能な「SDT73S」をラインアップ。抵抗温度係数を選択可能なチップリニア抵抗器も複数ラインアップしており、車載用LT73Vは半導体の温度補償などに使用されている。

 電流センシングのための各種電流検出用抵抗器も豊富に取りそろえて顧客の要求に応えている。金属板チップタイプでは5025、6432サイズで10-100mΩの「SLP」をリリースした。抵抗温度係数プラスマイナス50×10⁻⁶/K、製品厚0.635ミリメートルの低背化を実現し10-40mΩでは最大定格電力2Wに対応する。

212Aを高精度検出 

 また、小型高電力の「PSL2」(6432サイズ)は最小0.2mΩ、最大212Aの電流の高精度検出が可能。「PSJ2」(10052サイズ)は順次抵抗値ラインアップを拡大している。4端子構造では「PSG4」(6966サイズ)、さらに小型の「PSF4」(3038サイズ、抵抗温度係数50×10⁻⁶/K)を製品化している。

 ノントリミング構造によって寄生インダクタンスを抑え、波形歪の少ない高精度な電流検出が可能な「TLRシリーズ」は定格アップ品が充実している。

 電圧センシングとしては、バッテリマネジメント回路やインバータ回路に代表される高電圧回路の監視用途に薄膜技術を用いた分圧抵抗「HVDシリーズ」を提供している。パワーコントロールユニットなどで必要となる数百Vから1000Vクラスの高電圧を高精度に検出し、かつ省スペースを実現するソリューションとなる。相対精度を保証しており、長期にわたって高精度な電圧センシングが可能になっている。