マイクロ風車を災害時の独立電源に シナネンが風力発電分野に参入 | 電波新聞デジタル
   

CES2020

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マイクロ風車を災害時の独立電源に シナネンが風力発電分野に参入

リース販売される予定のマイクロ風車リース販売される予定のマイクロ風車

停電時には、取り出して持ち運び可能な蓄電池も搭載するマイクロ風車停電時には、取り出して持ち運び可能な蓄電池も搭載するマイクロ風車

風車を垂直に並べた多段式のマイクロ風車の開発も進める風車を垂直に並べた多段式のマイクロ風車の開発も進める

 地域の避難所などにリースへ

 エネルギーソリューションを提供するシナネン(東京都港区)は、風力発電分野に参入し、微風でも効率的に発電する「マイクロ風車」の新製品を開発し、提供を始める。

 今秋をメドにリース販売する予定。蓄電池を備えた自家消費型の独立電源として、災害時の避難場所などに普及させる狙いだ。

 同社はエネルギーをメイン事業とし、もともとは石油、ガスなどの枯渇エネルギーを仕入れて販売した燃料商社。十数年前から太陽光を中心に再生可能エネルギー事業に参入した。

 今回、風車の部品メーカー、グローバルエナジー(静岡県浜松市)と協業し、シナネンが100%出資する子会社「Sinagy Revo(シナジーレボ)」(東京都港区)を2月に設立。
 
 メーカー兼販売会社として機能させ、開発から販売・メンテナンスまでを担う。社名は、「シナジー」や「レボリューション」などを掛け合わせて付けた。

 マイクロ風車とは、出力5kW以下の超小型タイプ。グローバルエナジーは約20年間、風車のグレード(羽)の開発を続けてきた。

 約2年前からシナネンと協業。このたび、平均風速が毎秒約1メートルの微風で回転し、そよ風程度の毎秒約2メートルになれば発電可能な風車を完成させた。

 羽の形状を、受ける風を効率よくエネルギー転換できるように工夫。3枚の羽がある外観は鳥かご状の構造をした垂直軸の風車で、風向きに関係なくどこからの風でも回転するため、30%超の高い設備利用率が期待できる。

 羽は、強度のある発砲スチロール状の特殊な素材でできており、直径約1.5メートルの風車でも、「人が持ち運べるほどの軽さ」(シナネン・プロジェクト推進部)で安全性も確保したという。

 また、最大時の回転音も30デシベルで図書館内の静けさ(40デシベル)を下回るほどに抑え、近くでもほとんど聞こえない程度だという。

 従来品では大きな課題だった騒音問題もクリアし、市街地や住宅街での設置も現実化させた。そのため、シナネンは近年、必要性の議論が高まる災害時の重要な電源インフラとして位置づける。

 主力製品は出力500Wで、高さ6-7メートルのポール型。支柱の中には、蓄電池を搭載し、防犯カメラやLED照明、Wi-Fiなどが使える通信装置も合わせて装備し、全国に約7万5千カ所ある学校や公民館など避難場所への導入を呼びかける。

 発足させたシナジーレボには、風車製造に携わる部品メーカーや輸入商社などに資本参加してもらう構想もあるという。

 シナジーレボの進藤裕司社長は「風力は24時間、発電できる機会があるのが大きな特徴。都心部でも十分なビル風がある」とし、「災害時でも自立できるBCP(事業継続計画)対策の電源として、新たな市場を開拓していきたい」と話している。



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