2023.12.15 コマツ・同志社大 シンプルな壁紙を画像から識別するAIアプリ開発

人の目では特定が難しい、シンプルな壁紙を識別するアプリ『かべぴた』(左下)

 インテリア資材の販売・卸しなどを手掛けるコマツ(大阪府東大阪市)と同志社大学は15日、壁紙AI識別アプリ「かべぴた」を発表した。スマートフォンで壁紙を撮影するだけで、人の目では特定が難しいシンプルな量産壁紙の品番などの情報を、AIが画像から識別する。今後この技術を応用し、石材や木材などの素材の識別のほか、コンクリートなどの経年劣化推定や、農業・バイオ分野での活用も考えられるという。

 アプリは、国内の主要な壁紙メーカー6社の量産カタログにある、約600品番を網羅する。これら6メーカーの壁紙が、国内の一般住宅の内装の9割ほどを占めているという。色や凹凸、テクスチャがシンプルで似ているため、内装業界の熟練した技能者であっても、目での識別が難しいという課題があった。

 今回発表したアプリは、コマツと同志社大学との産学連携により開発した。ニューラルネットワークとディープラーニングを組み合わせたAIに数万点の壁紙画像を学習させ、テクスチャの凹凸、模様、色から壁紙の品番を識別し、候補5品番を表示する。

 候補5品番内に正しい品番が表示される確率は95%、トップに表示される確率は90%ほどだという。

 すでにベータ版を披露し、2024年1月末に一般にリリースする予定。当面は無料で利用できる。