2023.12.18 日立、新しいメタバース活用技術を開発 プラント業務の効率化を支援

日立製作所は、メタバース上に再現した原子力発電所の構造物にアバターとなって入り込むデモを公開した=18日、東京都国分寺市

 インターネット上の仮想空間「メタバース」に原子力発電所の構造物を再現し、所内の現場作業を効率化する――。日立製作所は18日、そんな環境を実現できる「現場拡張メタバース」を開発したと発表した。エネルギーや鉄道、建設、製造業など、多様な分野の業務を革新する取り組みとして注目を集めそうだ。

 日立は今回の新たなメタバース活用技術を、原子力プラントの実寸大模型を移設する作業に応用し、有効性を確かめた。現場の作業員や遠隔地にいる関係者がメタバース上の情報を共有し、作業の振り返りや打ち合わせを行えるようにした。

 メタバースには、現場で集めたデータを格納。さらに生成AI(人工知能)を活用することも特徴で、作業の状況を確認したい作業員が生成AIに質問を投げかけると、データを抽出して答えてくれるという。

 同日には、日立研究開発グループ国分寺サイト(東京都国分寺市)で新技術を取り入れたデモンストレーションを実施し、報道関係者に公開。センサーを装着した作業員がデジタルの分身「アバター」となって、大型スクリーンに表示された仮想空間のプラント内を移動する様子が披露された。(19日、電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)