2023.12.18 住友電工のレドックスフロー電池 再エネ活況、海外展開も期待
RF電池の導入例
住友電気工業は、手掛けるレドックスフロー(RF)の展開を強化している。長寿命のほか、安全、運用性なども特徴。大電流に対応し、太陽光発電など再生エネルギーの需給調整ができる。需要家設置での再エネ併設のCO2削減用途に最適とあって、採用実績は着実に増えており、さらなる展開を見込んでいる。
RF電池の大きな特徴の1点目は、長寿命。電極や電解液の劣化が極めて少ない。電解液のリユースが可能となっている。
2点目は高い安全性。活物質は不燃物質、構成材料は難燃材料で火災の危険性が極めて低い。3点目は運用性。充放電サイクル数が無制限で、運転条件の制約がなく、充電状態を常時正確に把握できる。
実績が外で拡大しているRF電池。同社が手掛け始めたのは80年代。2000年には実用化のめどをつけた。ただ、当初は原料の市況やコスト面などの課題があり、いったんは撤退していた。時代よりも少し早すぎた面があったようだ。
しかし、ノウハウが継承されていた中、再エネの市場が広がり、改めて蓄電池に注目が集まる。そこで事業が再起動され、研究の結果、2012年に実証機に成功。その後、採用が引き合いが着実に広がっている。海外からの引き合いも増えている。
地産地消の流れの中、脱炭素の市場もあって海外展開も進みそうだ。