2023.12.26 「片側空け」防ぐエスカレーター 万博開催に合わせて日立など開発

エスカレーターのイメージ

 日立製作所と日立ビルシステムは25日、エスカレーターの「片側空け」を抑え、二列利用を誘導する新機能を搭載したエスカレーターを開発したと発表した。大阪・関西万博開催に合わせて開業する最寄り駅向け。安全利用と輸送効率向上を実現する。

 設置されるのは、2024年度に開業予定の北港テクノポート線「夢洲(ゆめしま)駅」(大阪市此花区)。万博開催期間中は一日約12万6000人が利用する見込み。2分半間隔で電車が到着し、ホーム中央の3台並列の上りエスカレーターを使うことが想定される。ホーム人の滞留を防ぎ、スムーズで安全にエスカレーターを利用できる仕組みが必要となっている。

 エスカレーターは、安全上の理由からステップ(踏み段)上で停止して利用することを前提とした装置だが、慣習として片側を歩行用に空ける利用方法が一般化。鉄道各社などが二列利用を呼び掛けているが、定着には時間がかかる。

 そこで日立は、安全利用の実現と輸送効率の向上に向けて、エスカレーター上での歩行につながる「片側空け」を抑止する新機能を搭載したエスカレーターを開発した。

 新機能として乗り込み口のLED誘導照明や、ライザー(蹴上げ)LED照明、スカートガードLED照明の3点を新たに搭載。誘導照明は、乗り込み口付近の水平状態のステップに、二列で乗る際の立ち位置を照射する。ライザー照明は水平状態から階段状になっていく位置で照射して段差を強調、歩かずに立ち止まって利用することを促す。 スカートガード照明は、ステップの移動スピードに合わせて照明を光らせ、歩かずに立ち止まることを促すなどする。

 (後日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報予定です)