2024.01.01 【AV総合特集】各社の24年事業戦略 富士フイルム 山元正人取締役専務執行役員イメージングソリューション事業部長

 2023年度のイメージング事業は好調に推移している。「Xシリーズ」をはじめとするミラーレスカメラだけでなく、INSTAX〝チェキ〟も好調で成長を続けている。イメージングは通期で売上高4450億円、営業利益880億円を予想しており、00年度以降の最高を更新する見込みだ。営業利益率も約20%と高水準を記録する。

 成長を持続できているのも、付加価値の高い製品を矢継ぎ早に投入できたからだ。22年に発売した「X-T5」や〝ダブルフラッグシップ〟の「X-H2」と「X-H2S」がいまだに売れ続けている上、昨年は小型・軽量ボディーに大容量バッテリー、高性能AF、動画撮影機能を搭載したオールインワンモデル「X-S20」を6月に、新開発の1億200万画素高速センサーと最新の画像処理エンジンを搭載したラージフォーマットの「GFX100 Ⅱ」を9月に発売。GFX100 Ⅱは、100万円を超える価格ながら当初の想定以上に引き合いがある。

 ミラーレスでは、動画撮影機能の存在感がさらに増してきた。Xシリーズ、GFXシリーズともに動画領域に活躍の場を広げている。

 プロの動画撮影からVlogのような使い方まで、動画も多様化している。大きな方向性として今後も動画機能は強化していく。

 チェキも、付加価値の高い新製品を発売したことで、グローバルで2桁以上伸びている。特に今年度は国内市場の伸びが著しい。撮影に特化した「Pal」など、新たな価値を提供する製品の評価が高い。

 チェキは20~30代、特に女性からの支持が高かったが、今では男性のユーザーも増えている。24年度のチェキの売り上げは、コロナ禍で一時落ち込んだ20年度の約2倍となる、1500億円にすることを目指している。

 アナログが売りのチェキだが、DX化も進んでいる。専用アプリでAR(拡張現実)による写真プリントを楽しめたり、埋め込んだQRコードから企業のデジタルコンテンツに誘導できたりと、コンシューマー向けだけでなく、ビジネス用途にも広がり始めている。

 「Shoot」「See」「Share」が、当社が考えるイメージングのエコサイクルだ。撮って、プリントし、残す。

 これら全ての領域において、当社はライフスタイルやライフステージに寄り添ったソリューションを提供できる。

 人工知能(AI)といった先端技術を積極的に取り込み続けることで、付加価値の高い製品や、新たなソリューションをお客さまに提案していく。

 エコサイクルを回し続けることで、今年も昨年以上の成長を目指していく。

 スマートフォンの撮影では味わえないミラーレスによる写真撮影の価値やチェキの世界観、プリント文化などをトータルで提案して、持続的なキャッシュジェネレーション事業にすることが目標だ。