2024.01.05 【東海・北陸版】家電販社トップ 24年営業戦略 シャープマーケティングジャパン 関博之中部エリア統轄兼HS社常務

関中部エリア統轄

対面販売で高付加価値商品を訴求

 今年も対面販売を強化し、高付加価値商品の実需を拡大する。

 昨年の業界における主要商品の実売が台数ベースでは前同割れに推移する中、SVPG(地域電器店)においては提案営業による付加価値商品の販売構成比が上がり、第3四半期もほぼ前年並みの金額実績を確保した。

 特に個展などの実売イベントでは、吉本芸人とのコラボによるミニステージや飲食ができる催しなど、当日の動員策がコロナ禍以前の形態で展開できるようになった。

 重点商品を選定の上、販売目標を明確にし、見込み客へより説得力のある商品知識を提供、提案話法を強化したことが、上位モデルの実売成果につながった。

 エアコンや冷蔵庫・洗濯機などの買い替えが活発だった「巣ごもり需要」の反動もあり、今年も台数ベースでの伸長は期待しづらい状況が続くとみている。また、昨夏の猛暑下においてもエアコンや冷蔵庫の台数伸長はなく、従来のように季節的な要因における顕著な需要の変化もなくなりつつある。

 一方で「お客さまが価値を認めたものにはお金を出す」流れは確かであり、実売単価を上げる取り組みが継続的に必要となる。時短や省エネなどの提案が可能な高付加価値商品や、AIoT家電などの上位モデルを確実に提案できるようにしていきたい。

 第3四半期で販売が好調だった新製品は、ボタン一つでごみ捨てができ、手が汚れない「紙パック式のコードレススティック掃除機」や、ハイブリッド乾燥技術で業界最高水準の省エネと乾燥力を実現した「ドラム式洗濯乾燥機」、大風量で即乾性があり、小型軽量の新デザインが特徴の「プラズマクラスタードレープフロードライヤー」など。

 AIoT家電の販促にも力を入れている。外出先からスマホの操作一つで、帰宅後の部屋を適温にしてくれるエアコンの機能などはイメージしやすく浸透した。テレビもネットにつなげるのが当たり前になっている。

 電気自動車(EV)は今後の需要に伸びが期待できる分野だ。

 V2H関連機器の今春以降の発売を控え、エネルギー事業の提案も改めて強化する。

 家や車を含めて生活環境をトータルで見据えた提案が必要になっている。より快適な生活空間の実現に向けて、どのようなメリットがあるのか分かりやすく伝え、その価値を訴求したい。例えば、水回りやリフォーム需要への対応を整え、顧客の間口が広がった販売店が増えている。

 呼べばすぐ来てくれる、細かなニーズに応えられることが、地域密着型の地域電器店の最大の強みで、ビジネスチャンスは広がっている。当社商品を通じて、販促面での提案を一層強化していく。

 自治体による省エネ家電購入への補助金が、需要喚起の起爆剤の役割を果たしているようだ。今年も各自治体の施策展開が予想されるが、いずれも予算が限定的なので、スピード感を大切にしたい。アンテナを立てて情報を共有し、対象品種の実売に結び付けていきたい。

 1月24日に名古屋市内で、シャープマーケティングジャパン法人向け総合提案会「シャープビジネスフォーラム 2024」を開催する。ビジネスソリューション社と連携の上、当社の持つBtoB商品群を通じて、業務効率化やエネルギー問題などの課題解決に向けてさまざまな角度から提案する。

 3月には春夏商戦へ向けての販促商談会を名古屋ビルで開催する予定。コロナ禍の影響から久々に対面集合形式で実施した昨年の販促商談会も盛況であったことから、実際に商品を見てもらい、その特長や機能を確認してもらう機会の重要性を改めて認識した。

 新製品発表会も兼ねており、当社の主要商品をラインアップ展示の上、実演を含めて新製品をお披露目する。