2024.01.04 【家電流通総合特集】年頭所感 全国電機商業組合連合会 峯田季志会長
CN、SDGsなどに本腰
「共創共生」で飛躍へ
新型コロナウイルスが5月から感染症法上で5類に位置付けられ、人の流れも活発になりリアルでの活動ができるようになった。地域電器店を取り巻く環境は、インボイス制度やアスベストなどの新たな制度が始まっている。
全国電商連は、カーボンニュートラル(CN)、SDGs、デジタルトランスフォーメーション(DX)を基本方針に盛り込み、全組合員を挙げて取り組むことにしている。地域電器店の発展はもちろん、地域社会のインフラとしての役割も、より強く求められている。CNやSDGsにおいても、国を挙げて取り組んでいる脱炭素社会の実現に向け、省エネ家電販売や太陽光発電・蓄電池といった環境対応商品にも、これまで以上に取り組んでいく必要がある。同時にDXにも早急な対応が求められており、組合活動においても組合員に「デジタル推進呼びかけ員」への積極的な登録を呼び掛けている。
全国電商連の会長に就任してから「新しい飛躍への結集!」「活力の輪を広げよう」「つながる・広がる・連携」を訴え、そして全国電商連を支えているのは、各商組の活動と力添え、個々の組合員の意欲的な取り組みであると、力強く訴えてきた。
昨年も省エネ型のエアコンと冷蔵庫を販売する「CN宣言キャンペーン」を実施。開始早々から応募が相次ぐなど、全国の組合員の参加と高い省エネ意識に感謝するとともに、CN社会の実現に積極的に取り組んでいる姿勢を打ち出すものであり、国や行政、各自治体と一緒に行動することで、業界を含めて広く発信するものだ。こうした活動を受け、各県・自治体では省エネ家電買替補助事業といった形で、行政が前面に立った支援を行うところも多数出てきている。
全国電商連にとって重点取り組みである「地域貢献活動の高齢者見守り活動(サポーター活動)」「スマートライフコンシェルジュ認定制度」「家電ガイドライン申告活動」などにも、取り組んでいく。同時に、組合員のための各種保険制度や延長保証制度、消費者との意見交換の場である消費者懇談会も、商組組織を支える需要な事業であり、継続した取り組みをお願いしたい。
新たに組合員の高齢化に対応する「協業制度の構築」にも昨年から着手しており、組合員同士が協力し合っていくとともに、商組としてのメリットも高めていきたい。
1月から始まっている電子帳簿保存法などの法令順守はもちろん、人材不足や物価高騰、キャッシュレス化、物流の「2024年問題」などによる仕入れコストの上昇が考えられる。価格設定を含めた、これまでとは違う商売環境への対応が急務となる。
また、社会への取り組みを含めたアフターコロナという中で、さまざまな情報を組織を挙げて共有し、新しい時代にしっかりと対応する経営を目指していかなければならない。
そして、46商組が全国電商連の各種事業に積極的に取り組み、活力ある活動によって「商組に入ってよかった」「商組があってよかった」と思われる商組組織の実現に向けてまい進していきたい。
組合店数が減少しているが、他業界と比べると、まちのでんきやは後継者がいることが多く、減少幅は少ない。組合員の皆さんが横の連携をこれまで以上に深め、強い仲間意識の下「共創共生」の精神で、飛躍していく年にしたいと思っている。